1980年
BLIZZARD OF OZZ

1981年
DIARY OF A MADMAN

1982年
SPEAK OF THE DEVIL

1983年
BARK AT THE MOON

1986年
THE ULTIMATE SIN
THE ULTIMATE OZZY

1987年
TRIBUTE

1988年
NO REST FOR THE WICKED

1990年
JUST SAY OZZY

1991年
NO MORE TEARS

1993年
LIVE & LOUD

1995年
OZZMOSIS

1997年
THE OZZMAN COMETH

2001年
DOWN TO EARTH

2002年
LIVE AT BUDOKAN

2005年
UNDER COVER

2007年
BLACK RAIN

2010年
SCREAM




ランディ ローズ在籍時 ('80 - '82年)
 オジーが'79年5月にBLACK SABBATHから解雇された直後、彼はほぼ
再起不能に近かった。しかしシャロン・アーデン(現夫人)の協力
を得て、オジーはソロ・ミュージシャンに転身。周囲に促されるま
まギタリストのオーディションを始めた。


 オジー自身が全く乗り気でなかったそのオーディションこそ、孤
高の天才ランディ・ローズとの、運命の出会いだった。

 オジーはランディとの音楽活動にかつて無い充実感を得て、2枚の
スタジオ作はSABBATH時代をも凌ぐ充実ぶりを見せた。当時はショウ
でもオフステージでも型破りな言動を連発し、その多くが「オジー
伝説」と化している。

 ランディとオジーのコラボレーションは公私共に好相性であり、
両者の活動はこれからも続くと思われたのだが…。





1980年
"BLIZZARD OF OZZ"
(血塗られた英雄伝説)

2011年・レガシー エディション
1. I Don't Know
2. Crazy Train
3. Goodbye To Romance
4. Dee
5. Suicide Solution
6. Mr. Crowley
7. No Bone Movies
8. Revelation (Mother Earth)
9. Steal Away (The Night)
(BONUS TRACKS)
10. You Looking At Me, Looking At You
11. Goodbye To Romance
  (2010 Guitar & Vocal Mix)
12. RR
  (Randy Rhoads Guitar Solo)

2002年・リミックス盤
1. I Don't Know
2. Crazy Train
3. Goodbye To Romance
4. Dee
5. Suicide Solution
6. Mr. Crowley
7. No Bone Movies
8. Revelation (Mother Earth)
9. Steal Away (The Night)
(BONUS TRACK)
10. You Looking At Me, Looking At You
2011年・レガシー エディション
「BLIZZARD OB OZZ」 (LEGACY EDITION)
2002年・リミックス盤
BLIZZARD OF OZZ

 BLACK SABBATHではリフ主体の楽曲で、そのリフをなぞる歌唱をして
いたオジーだったが、1stソロとなる本作では一転、印象的なギターリ
フに対して覚えやすい歌メロディを展開。楽曲のバラエティも豊かで、
ヘヴィ一辺倒という訳でもなく、多面性に富んだ充実の内容。さらにマ
ネージメントの売り込みも実に巧みで、瞬く間に多くの若者の支持を獲
得した。稀代の天才ランディ・ローズの、目が覚めるような活躍もさる
ことながら、メロディメイキングでの職人ボブ・ディズリーの協力も忘
れてはならない。「Crazy Train」や「Mr. Crowley」での手法は、現在
に至る主要HMの雛形と言える。


 '02年には当時のメンバーであるロバート・トゥルージロ(B)とマイ
ク・ボーディン(Dr)のプレイにより、リズムセクションを差し替えた
リミックス盤がリリースされた。音質面では確かに20年という時代の差
を感じないリマスターがなされており、ランディのギターが時代を超え
て鮮やかに蘇っていた。だがプレイスタイルという点に関しては、現代
的なロバートやマイクの演奏では違和感が残る。

 しかし'11年には「30周年」を記念し、オリジナルに準拠したミック
スの"レガシー・エディション"がリリースされた。

 なお、この'80年には「You Said It All」というシングル曲があった
が、この曲は未だに再発盤などには収録されていない。







1981年
"DIARY OF A MADMAN"

(Original Album)
1. Over The Mountain
2. Flying High Again
3. You Can't Kill Rock And Roll
4. Believer
5. Little Dolls
6. Tonight
7. S.A.T.O.
8. Diary Of A Madman

"LIVE EDITION"
Disc 2
1. I Don't Know
2. Crazy Train
3. Believer
4. Mr. Crowley
5. Flying High Again
6. Revelation (Mother Earth)
7. Steal Away (The Night)
8. Suicide Solution
9. Iron Man
10. Children Of The Grave
11. Paranoid
2011年・LIVE EDITION
「DIARY OF A MADMAN」 (LIVE EDITION)
2002年・リミックス盤
DIARY OF A MADMAN

 1stから間を置かず、矢継ぎ早に製作された2nd。ランディのクラシカ
ルかつヘヴィなギターに、個性的でキャッチーなメロディという作曲の
基本的な方向性は同一だが、そこにBLACK SABBATH時代からさらに拡大
された「マッドマン」オジーの狂気に満ちたキャラクター性で味付けす
る事で、他の誰にも似ていない、バンドとしての唯一無二の個性を確立
した。「Believer」と「Diary Of A Madman」はそのヘヴィ路線の最典
型だが、キャッチーなスピードナンバー「S.A.T.O.」や、繊細なバラー
ド「Tonight」も忘れたくは無い。

 '02年にはリズムを差し替えたリミックス盤が出ていたが、録音メン
バーの相違による違和感は賛否が別れた。だがリマスターの効果はより
鮮やかに感じられ、ストリングスセクション参加の「Diary Of A
Madman」での音は素晴らしい(なお、この盤には「I Don't Know」のラ
イヴテイクがボーナス収録された)。

 '11年には「30周年」を記念し、'81年5月2日のライヴをセットにした
2枚組がリリースされた。







1987年
"TRIBUTE"

TRIBUTE
1. I Don't Know
2. Crazy Train
3. Believer
4. Mr. Crowley
5. Flying High Again
6. Revelation (Mother Earth)
7. Steal Away (The Night) - Drum Solo
8. Suicide Solution - Guitar Solo
9. Iron Man
10. Children Of The Grave
11. Paranoid
12. Goodbye To Romance
13. No Bone Movies
14. Dee (Studio Outtake)


 ランディ ローズの没後五周年の節目に当たり、オジーが「過去の清算」的にリ
リースした、'81年ツアーで収録保管された、主に放送用音源から編集されたライ
ヴアルバム。スタジオアルバムと比較してライヴでのプレイを揶揄されることが多
いランディだが、この作品で聴ける演奏はどれも素晴らしく、バンドの意気も天を
突かんばかりだ。オジーの歌は相当に編集されているものの、そのテンションの高
さはこの時期特有のもの。後年になって「トリビュート」という単語が各方面で乱
発されるようになるが、その意味において本当に相応しいアルバムは、この作品を
おいて他に無いだろう。







ブラッド・ギルズ在籍時 (1982年4月から12月)

バーニー・トーメ在籍時


ブラッド・ギルズ在籍時
 1982年3月19日、あまりにも残酷な飛行機事故でランディ・ローズ
を失ったオジーは、悲しみのどん底に落ち込んでいた。

 それでも契約上、どうしてもショウはこなさなくてはいけない。
シャロンはオジーを立ち直らせる意味も込め、敢えてツアーの継続
を決め、ランディの穴を埋めるメンバーを探した。


 マイケル・シェンカーやジョン・サイクスといった名前が挙がる
など、ランディの後任探しは困難を極めた。その中でレコード会社
は元GILLANのバーニー・トーメを推薦。オジーもバーニーを仮採用
としてバンドに加えた。しかしバーニーはオジーのバンドに馴染め
ず、2週間程度で脱退する。


 そして次に採用されたのがブラッド・ギルズだった。ブラッドは
バンドを支え、'82年ライヴの残り日程を堅実に消化した。さらに同
年9月にはライヴ作品「SPEAK OF THE DEVIL」の収録にも参加した。

 この約1年間こそ、後にNIGHT RANGERで成功を収めるアーミングの
鬼才が、本格的にシーンへ躍り出た瞬間であった。





1983年
"SPEAK OF THE DEVIL"
(悪魔の囁き)

CD
1. Symptom Of The Universe
2. Snowblind
3. Black Sabbath
4. Fairies Wear Boots
5. War Pigs
6. The Wizard
7. N.I.B.
8. Sweet Leaf
9. Never Say Die
10. Sabbath Bloody Sabbath
11. Iron Man - Children Of The Grave
12. Paranoid

DVD
1. OverThe Mountain
2. Mr. Crowley
3. Crazy Train
4. Revelation (Mothe Earth)
5. Steal Away (The Night)
6. Suicide Solution
7. Goodbye To Romance
8. I Don't Know
9. Believer
10. Flying High Again
11. Iron Man
12. Children Of The Grave
13. Paranoid
CD
SPEAK OF THE DEVIL
DVD
「SPEAK OF THE DEVIL (DVD)」

 ランディ ローズを失い「心神耗弱状態」だったオジーだが、契約上
どうしてもツアーを続行する必要があり、後任のギタリストを数名物色
した。この時点で「仮採用」になったのは元GILLANのバーニー・トーメ
だったが、バーニーは程なくして脱退。代わりにやって来たのが、
NIGHT RANGER立ち上げ直前のブラッド・ギルズだった。

 オジーのソロで最初のライヴ・アルバムは、全曲BLACK SABBATHナン
バーの異様なライヴアルバムだった。必要に迫られて製作した、という
雰囲気がプンプン漂っているが、'70年代のSABBATHライヴでは演奏の例
がほとんど無い「The Wizard」や、「Sabbath Bloody Sabbath」のライ
ヴ演奏を収めているという点で、それなりの価値がある。また、
「Never Say Die」がライヴで取り上げられたのは、オジー・SABBATH共
に、これが最後ではないだろうか?また、アルバムとは別に同名の映像
版もリリースされているが、こちらはレギュラーライヴである。ショッ
キングな仕掛けが多かった「DIARY OF A MADMAN」ツアーの模様を体験
できる。ブラッドはランディの曲に関してはほぼ完全コピーだが、ギタ
ーソロでは自身の持ち味であるアーミングプレイを披露しており、ささ
やかながら自己主張を怠っていない。







ジェイク・E・リー在籍時 (1983年から1987年)


 NIGHT RANGERの本格的なスタートが決まった事で、ブラッド・ギ
ルズは、惜しまれつつオジーのバンドから去っていった。


 再度ギタリスト探しのオーディションが行われ、この時はジョー
ジ・リンチなどがオジーの共演リストに挙がったという。

 しかしオジーが選んだのはジョージではなく、日系人のジェイク・
E・リーであった。

 1983年に発表された「BARK AT THE MOON」では、華やかな個性を
持つジェイクのギターワークがファンの間で好評を博し、新たなギ
ター・ヒーロー誕生と話題になった。さらに折から巻き起こりつつ
あったL.A.メタル・ブームの波にも乗って、オジーは商業的な大
成功へと突き進んでいく。

 そして「THE ULTIMATE SIN」を発表した1986年には、イギリス・
ドニントンでの"MONSTERS OF ROCK"においてヘッドライナー出演を
果たすのである。





1983年
"BARK AT THE MOON"
(月に吠える)

BARK AT THE MOON
1. Bark At The Moon
2. You're No Different
3. Now You See It (Now You Don't)
4. Rock'N'Roll Rebel
5. Centre Of Eternity
6. So Tired
7. Slow Down
8. Waiting For Darkness

(BONUS TRACKS)
9. Spiders
10. One Up The B Side


 オジーの急場を救ったブラッド ギルズがNIGHT RANGERへ帰った事で、オジーは
正式な「二代目ギタリスト」の発掘に取り掛かる。ミッチ・ペリーやジョージ・リ
ンチといった腕達者らとの競合に勝利してその座を得たのは、元ROUGH CUTTで日系
人のジェイク・E・リーだった。

 L.A.仕込みのフラッシーかつ華やかなプレイを身上とするジェイクの個性は、タ
イトル曲「Bark At The Moon」や「Center Of Eternity」に代表される曲のよう
に、ランディ在籍時とは全く異なった音楽性をオジーに与え、オジーをL.A.メタル
全盛時代の先頭に立たせる事になる。

 なお本作も'02年にボーナス付きの新装盤がリリースされた。この時はリマスタ
ーという触れ込みではあったが、場所によっては'83年発表のオリジナル盤と印象
が相当異なる部分があり、一部ではリミックスも行われていると思われる。







1986年
"THE ULTIMATE SIN"
(罪と罰)

THE ULTIMATE SIN
1. The Ultimate Sin
2. Secret Loser
3. Never Know Why
4. Thank God For The Bomb
5. Never
6. Lightning Strikes
7. Killer Of Giants
8. Fool Like You
9. Shot In The Dark


 ジェイクの持つ音楽性と、当時流行のL.A.メタル路線をさらに突き詰めた結果、
本作においてオジーはランディ・ローズ時代をはるかに上回る商業的成功を収め
た。しかし製作段階での苦労と自分の意に反した「音の軽さ」から、オジーは本作
を嫌っており、現在ではその一点を以って、不当というしかない過小評価が下され
ているように思う。

 確かに「Secret Loser」など、今日の感覚ではさすがに軽薄なイメージがつきま
とうが、「The Ultimate Sin」、「Lightning Strikes」、「Killer Of Giants」
あたりは、時代性とオジーの音楽性が上手に共存している好ナンバー。何かと物議
を醸す邦題が有名な「Shot In The Dark」だが、曲自体は最高のハードポップ。こ
れらがことごとく葬り去られてしまうのは、実に勿体無い話である。







1986年
"THE ULTIMATE OZZY"
(ライヴ + モア)

「THE ULTIMATE OZZY (ライヴ + モア!)」
1. Shot In The Dark (Video Crip)
2. Bark At The Moon
3. Suicide Solution
4. Never Know Why
5. Mr. Crowley
6. I Don't Know
7. Killer Of Giants
8. Guitar Solo
9. Thank God For The Bomb
10. Lightning Strikes
11. Flying High Again
12. Secret Loser
13. - Drum Solo
14. Iron Man
15. Crazy Train
16. Paranoid
17. The Ultimate Sin (Video Crip)


 オジーのライヴビデオは、後の「LIVE & LOUD」でもそうだが、意外なくらい
「作り込む」タイプ。単に音の差し替えうんぬんではなく、オジーがバンドメンバ
ーやクルーと「演技」をして、本編のライヴ映像以外にも「見せ場」を用意してい
るのである。

 ライヴそのものは「時代性」を体感できるという他、正直当たり障りの無い内容
だが、作り込み度は最高峰。ライヴ本編の前後に置かれた「Shot In The Dark」と
「The Ultimate Sin」のクリップは、単品で曲のプロモーションを果たすだけでな
く、エンターテイメント作品としての本作の「導入」と「オチ」の役割を担ってい
る(「The Ultimate Sin」のクリップは、「オジー石油」の社長に扮する御大が最
高に笑える)。

 オジーとの関係が冷え切っていたジェイクは'87年に脱退。
 その後BADLANDSを結成する。







ザック・ワイルド在籍 (1988年から1995年)


 商業的には成功していたオジーとジェイクとのコンビネーション
だったが、バックステージでは両者の折り合いは悪く、'87年になる
とまたもやギタリストの変更を余儀なくされた。


 この時、山のように送られたデモ・テープの中からオジーが選び
取ったのは、若干19歳の若者、ザック・ワイルドが送ったテープだ
った。BLACK SABBATHなどを聴いて育ったこの若者は、メタルブーム
が折り返しを迎える中でも、時代を自ら切り開くエネルギーとパワ
ーに満ちていた。

 ザックを迎えた「NO REST FOR THE WICKED」でのツアーでは、ギ
ーザー・バトラーをベースに迎え、初期BLACK SABBATHを連想させる
ヘヴィなライヴを披露した。


 オジーは1991年の「NO MORE TEARS」発表後、"ライヴ活動からの
引退"を表明したが、1995年には引退を撤回。再びザックやギーザー
らを迎え、「OZZMOSIS」を製作した。





1988年
"NO REST FOR THE WICKED"

NO REST FOR THE WICKED
1. Miracle Man
2. Devil's Daughter
3. Crazy Babies
4. Breaking All The Rules
5. Bloodbath In Paradise
6. Fire In The Sky
7. Tattooed Dancer
8. Demon Alcohol
9. Hero
10. Liar
11. Miracle Man (Live)


 ジェイク・E・リーの後任として加入したザック ワイルドは、前任の誰とも異なる
タイプだった。彼は凶暴に歪ませた重量級ギタープレイとバリエーション豊かなギ
ターリフを提供し、バンドの方向性をフラッシーかつバブリーな「L.Aメタル路
線」から真逆に反転させ、オジー本来の持ち味である「狂気じみたヘヴィネス」を
これでもかと増幅した。

 オジー中期の代表曲「Bloodbath In Paradise」や「Devil's Daughter」などに
見られるように、基本的にヘヴィネス一辺倒でありながらも、彼自身の音楽的ルー
ツはサザンロックやブルーズ、カントリーなど「引き出し」が多く、様々な局面で
これらが効果的に用いられ、同系統の楽曲にも個性を付与している。







1990年
"JAST SAY OZZY"

公式音源
1. Miracle Man
2. Bloodbath In Paradise
3. Shot In The Dark
4. Tattooed Dancer
5. Sweet Leaf
6. War Pigs

ブート映像
1. Intro
2. I Don't Know
3. Flying High Again
4. Mr, Crowley
5. Shot In The Dark
6. Bloodbath In Paradise - Guitar Solo
7. Sweet Leaf
8. War Pigs
9. Believer
10. Tatooed Dancer - Drums Solo
11. Miracle Man
12. Suicide Solution
13. Crazy Train
14. Paranoid
公式ミニアルバム
ブート映像 "FLYING HIGH"


 「NO REST FOR THE WICKED」リリースに伴うツアーから、'89年6月4
日にフィラデルフィア・タワーシアターで行われたショウの一部を収め
た作品。このライヴはTV放送されたため映像版のブートも多く、
「FLYING HIGH」など多くのタイトルが存在する。これら全曲収録のブ
ートと比較すると公式での差し替え具合は明らかなのだが、そのおかげ
かいろいろな意味で「安心して楽しめる」ライヴに仕上がっている。

 本作最大の目玉は、ツアー開始直前に加入したギーザー・バトラーの
プレイに尽きる。音のミックスでも彼にかなり配慮されているのが判る
が、その存在感たるやもう圧倒的。若いザックのパワーに負けじと、随
所で独特のベースプレイを炸裂させている。オジー自身も「好ましいヴ
ァージョン」としている「Shot In The Dark」は、最高のメンバーを得
て曲が持つポテンシャルを存分に発揮しているし、「SweetLeaf」から
「War Pigs」に至るBLACK SABBATHナンバーも、ザックのプレイで「若
返って」いる。







1991年
"NO MORE TEARS"

NO MORE TEARS
1. Mr. Tinkertrain
2. I Don't Want To Change The World
3. Mama, I'm Coming Home
4. Desire
5. No More Tears
6. S.I.N.
7. Hellraiser
8. Time After Time
9. Zombie Stomp
10. A.V.H.
11. Road To Nowhere
(BONUS TRACKS)
12. Don't Blame Me
13. Party With The Animals


 前作のツアー終了後、ドラッグ・アルコール禍から大きな不祥事を招いたオジー
は、「次の作品を最後にライヴ活動から身を引く」と発言し、大きな波紋を呼ぶ。

 そしてもたらされた「最後のアルバム」は、前作の延長線上に位置しつつも、こ
れまでのソロ活動の成果を凝縮したような多様性を持っていた。

 このうち「Mama, I'm Coming Home」に「No More Tears」は、ザック自身もソロ
バンドで演奏する、オジーのソロキャリア後期の代表曲。

 この他「Mr. Tinkertrain」、「Road To Nowhere」も優れたナンバーだ。







1993年
"LIVE & LOUD"

Disc 1
1. Intro
2. Paranoid
3. I Don't Want To Change The World
4. Desire
5. Mr. Crowley
6. I Don't Know
7. Road To Nowhere
8. Flying High Again
9. - Guitar Solo
10. Suicide Solution
11. Goodbye To Romance

Disc 2
1. Shot In The Dark
2. No More Tears
3. Miracle Man
4. - Drums Solo
5. War Pigs
6. Bark At The Moon
7. Mama I'm Coming Home
8. Crazy Train
9. Black Sabbath
10. Changes
CD
LIVE & LOUD
DVD
「LIVE & LOUD」 (DVD)


 「NO MORE TEARS」に伴う「引退ツアー」とされた、'91年 - '92年ワ
ールドツアーから、ベストとされるテイクをチョイスして編集されたラ
イヴアルバム。オジーとザック・ワイルド、マイク・アイネズ (B)とラ
ンディ・カスティロ (Dr)という編成は、メンバー間の意思疎通も良
く、優れたユニットとして機能している。

 Disc 2のラストに収録された「Black Sabbath」は、'92年11月15日の
オリジナルBLACK SABBATH再結成での記念テイク。「Changes」はオジー
のツアー中、ザックがキーボードを弾いて演奏したもの。

 本作には同名の映像作品が存在している。音源など内容はアルバムと
ほぼ同一だが、「Paranoid」など一部で曲順が異なっている。また曲間
ではオジーとメンバーのコントめいたやり取りも見られる。

 プロモーション的な映像の仕上がりで、純粋なライヴを観たい人にと
っては好き嫌いが分かれそうな作風だが、エンターテイメント作品とし
ての完成度は高い。この映像での「Black Sabbath」はファン必見。







1995年
"OZZMOSIS"

OZZMOSIS
1. Perry Mason
2. I Just Want You
3. Ghost Behind My Eyes
4. Thunder Underground
5. See You On The Other Side
6. Tomorrow
7. Denial
8. My Little Man
9. My Jekyll Doesn't Hide
10. Old L.A. Tonight
11. Whole World's Falling Down
12. Aimee
以下はシングル盤のみ収録
・. Living With The Enemy
・. Voodoo Dancer


 '92年の「引退」後、しばらく鳴りを潜めていたオジーだったが、スティーヴ・
ヴァイやトミー・ショウなどといった、これまで接触した事の無いミュージシャン
と交流し、曲作りは行っていた。そして'95年、ザック・ワイルド、ギーザー・バ
トラー、ディーン・カストロノヴォ(Dr) の編成で本作をレコーディングし、ライ
ヴ・アクトとしての復帰を宣言する。

 「Perry Mason」と「I Just Want You」は、オジー後期の中でも印象に残る好ナ
ンバー。文句無く「聴ける」曲もあるし、ザックやギーザーのプレイも光るが、作
業の遅延やストレスが原因で、オジー自身には不満が残る作品となったようだ。

 この後、ザックは「GUNS N' ROSES移籍問題」のトラブルもあって編成から外さ
れ、元LIZZY BORDENのジョー・ホームズが加入。この作品に伴う'96年のツアーか
ら、「OZZFEST」形式での大規模ツアーを行うようになる。







1997年
"THE OZZMAN COMETH"

Disc 1 (現行の通常盤)
1. Black Sabbath
2. War Pigs
3. Goodbye To Romance
4. Crazy Train
5. Mr. Crowley
6. Over The Mountain
7. Paranoid (LIVE)
8. Bark At The Moon
9. Miracle Man
10. Crazy Babies
11. No More Tears (Edit)
12. Mama, I'm Coming Home
13. I Don't Want To ChangeThe World (LIVE)
14. I Just Want You
15. Back On Earth

Disc 2 (初回盤のみのボーナス)
1. Fairies Wear Boots
2. Behind The Wall Of Sleep
3. Walk On Water
4. Pictures Of Matchstick Men
5. Ozzy 1988 Interview
現行盤 1CD
THE OZZMAN COMETH
限定盤 2CD
「OZZMAN COMETH」 (2CD)

 オジー本人が製作に関与したという意味では、ソロとなって初の
公式ベストアルバム。「Black Sabbath」と「War Pigs」は、"Ozzy'
s Basement Tapes"と題する素材で、'70年4月にBBCで放送された、
歌詞が異なる大変貴重なテイク。「Paranoid」は「TRIBUTE」収録の
もの。「I Don't Want To Change The World」は「LIVE & LOUD」か
らの選曲。「Back On Earth」は「OZZMOSIS」のアウトテイク。

 なおDisc 1の9トラック目は、'97年の初回リリース当時は「Shot
In The Dark」だったが、再発売以降は「Miracle Man」と差し替え
られている。

 Disc 2は初回盤のみの付録で、現行盤には付随していない。
「Faries Wear Boots」と「Behind The Wall Of Sleep」は、Disc 1
の「War Pigs」等と同様、'70年4月のBBC放送用音源とされる。







ジョー・ホームズ在籍時 - ガス・G在籍時 (1995年から現在)

ジョー・ホームズ在籍時


2008年,ザック復帰時


2009年,ガス・G参加後
 1992年に「ツアー引退」宣言をしたオジーだが、1995年には早く
も引退を撤回し、新作アルバム「OZZMOSIS」を製作した。ザック・
ワイルドは「OZZMOSIS」製作には関与したものの、それ以降はソロ
活動に従事し、後釜をランディ・ローズの教え子,ジョー・ホーム
ズに委ねて、バンドを去っていった。

 オジーは1996年以降、シャロンが立ち上げた"OZZFEST"での大規模
なツアーも行うようになる。さらに1997年にはBLACK SABBATH再結成
とツアーも成功させ、以前よりもさらにビッグな存在として、メタ
ル・シーンに君臨するようになった。


 サバス再結成の期間もあってオジーのソロは休止が生じたが、ホ
ームズはオジーの信頼も得て、長期にわたるツアーでも充分以上の
働きを見せた。しかし2001年になると、新作アルバム「DOWN TO
EARTH」製作とそのツアーでは「ファンの要望に応える」という形式
で再度ザックが呼び戻される。

 ザックは'07年の「BLACK RAIN」とそのツアーでも、持ち前の豪腕
ぶりをいかんなく発揮した。しかし'09年になって、ザックは健康上
の問題等でオジーと袂を別つ事になり、彼は再びオジーの元を去っ
ていった。

 二人目となるザックの後任には、元FIREWINDのガス・Gが選ばれ
た。2009年のライヴでお披露目がされると、翌'10年には3年ぶりと
なるスタジオフルレンス「SCREAM」が発表された。

 2012年にはサバスのツアーの代替として、"OZZY & Friends"のツ
アーが実現。ガス・Gら通常のバンドメンバーに加え、ザックやギ
ーザー,スラッシュなどが参加した。





2001年
"DOWN TO EARTH"

DOWN TO EARTH
1. Gets Me Through
2. Facing Hell
3. Dreamer
4. No Easy Way Out
5. That I Never Had
6. You Know... (Part 1)
7. Junkie
8. Running Out Of Time
9. Black Illusion
10. Alive
11. Can You Hear Them?
12. No Place For Angels

以下はシングル盤「DREAMER」収録
・. Dreamer (Accaustic Version)
・. Black Skies


 「OZZMOSIS」に続くソロアルバムの製作は、結果として6年ものブランクが開い
てしまう。しかしバンドメンバーのジョー・ホームズや、'96年に加入したロバー
ト・トゥルージロ(B)らにより、アルバム製作の基盤となる曲作りは進められてい
た。レコーディング直前になって、「ファンの要望」という名目でギターがジョー
からザックに交代したが、ジョーが作曲に関与した楽曲も3曲が収められた。


 作中の「Dreamer」は、現代版「Goodbye To Romance」とも言うべき珠玉のバラ
ード。この他「いかにもオジー」という印象の「Gets Me Through」に「Fasing
Hell」と、優れた曲は多い。しか中盤以降の楽曲に、現在のオジーが歌いやすいヘ
ヴィなミッドナンバーが延々と続く形となっており「ひたすらヘヴィな作品」とい
う印象が強く残った。







2002年
"LIVE AT BUDOKAN"
(ライヴ アット 武道館)

DVD
1. I Don't Know
2. That I Never Had
3. Believer
4. Junkie
5. Mr. Crowley
6. Gets Me Through
7. Suicide Solution
8. No More Tears
9. I Don't Want To Change The World
10. Road To Nowhere
11. Crazy Train
12. Mama, I'm Coming Home
13. Bark At The Moon
14. Paranoid

CD
1. I Don't Know
2. That I Never Had
3. Believer
4. Junkie
5. Mr. Crowley
6. Gets Me Through
7. No More Tears
8. I Don't Want To Change The World
9. Road To Nowhere
10. Crazy Train
11. Mama, I'm Coming Home
12. Bark At The Moon
13. Paranoid
ライヴアルバム
LIVE AT BUDOKAN
映像版
「LIVE AT BUDOKAN」 (DVD)


 「DOWN TO EARTH」リリース後に行われたワールドツアーより、'02年
2月の来日公演から、15日の武道館でのショウを収めたもの。「LIVE &
LOUD」から10年を経ていよいよ貫禄が増したザックに、ロバート・トゥ
ルージロ(B)とマイク・ボーディン(Dr)というラインナップは迫力
満点で、ヘヴィな演奏は音だけで聴いても強烈なものがある。

 音質はCD・DVDともに良好で、特にDVDは5.1チャンネルサラウンドで
ライヴを楽しめる。


 しかしオジーの調子はもうひとつといった印象で、最近ではもっぱら
楽曲のキーを下げて歌うオジーの姿に、一抹の寂しさを覚えてしまう。

 さすがに80年代の楽曲は「歌っていて苦しそう」という印象が強く、
「I Don't Know」や「Bark At TheMoon」では曲のイメージまで変わっ
てしまっている。新作からは「That I Never Had」,「Junkie」に加え
て「Gets Me Through」がセットイン。これらに関しては「現在のオジ
ー」に合わせられた曲なので、まだ違和感は感じないが…。

 なお、CDと同時にリリースされた映像版では「Gets Me Through」の
後ろにザック・ワイルドのギターソロをフィーチャーした「Suiside
Solution」が入っており、2月15日のショウを完全収録している。







2005年
"UNDER COVER"

UNDER COVER
1. Rocky Mountain Way
2. In My Life
3. Mississippi Queen
4. Go Now
5. Woman
6. 21st Century Schizoid Man
7. All The Young Dudes
8. For What It's Worth
9. Good Times
10. Sunshine Of Your Love
11. Fire
12. Working Class Hero
13. Sympathy For The Devil
14. Changeshot In The Dark


 2005年にリリースされたBOXセット「PRINCE OF DARKNESS」から、唯一の新録音
テイクとなっていたDisc 4を独立させ、そこへ新たに4曲を追加したもの。

 ジョン・レノンの楽曲が多いことからも判るように、とにかくオジーの趣味が押
し出され、それでいて楽曲は全て「オジーのナンバー」として染め上げられてい
る。メタルとしてのエッジの強さやハードさは皆無ながら、オジーのキャラクター
を楽しむ上では、良いアイテムではないだろうか?

 なお初回限定盤には、CD収録の楽曲とほぼ同内容のDVDが付属している。







2007年
"BLACK RAIN"

1. Not Going Away
2. I Don't Wanna Stop
3. Black Rain
4. Lay Your World On Me
5. The Almighty Dollar
6. 11 Silver
7. Civilize The Universe
8. Here For You
9. Countdown's Begun
10. Trap Door

"TOUR EDITION"
Disc 2
1. I Don't Wanna Stop (Live)
2. Not Going Away (Live)
3. Here for You (Live)
4. Nightmare
5. I Can't Save You
6. Love To Hate
国内盤 (1CD)
「BLACK RAIN」
"TOUR EDITION" (2CD)
「BLACK RAIN」 (TOUR EDITION)


 「DOWN TO EARTH」以来6年ぶりとなったスタジオ・フルレンス。久し
ぶりとなるオジーとザックの本格共作という事もあるが、収録曲がどれ
も良く練りこまれ、また丁寧に作り込まれている。

 オープニングの「Not Going Away」こそ、前作「DOWN TO EARTH」に
も見られたような、最近のオジーらしい典型的なヘヴィ・ミッドナンバ
ーだったが、続く「I Don't Wanna Stop」のキャッチーなノリの良さで
一気にガツンと来る。中盤の「11 Silver」は特に目を惹くナンバー
で、曲の良さに加えて、'80年代を思い出させるオジーの歌、そして秀
逸なザックのソロと、「即効性」は抜群だ。

 海外盤の「TOUR EDITION」には、日本盤未収録のスタジオテイクや、
本編収録曲のライヴテイクが収録されるなど、非常に興味深い内容に仕
上がっている。







2010年
"SCREAM"

1. Let It Die
2. Let Me Hear You Scream
3. Soul Sucker
4. Life Won't Wait
5. Diggin' Me Down
6. Crucify
7. Fearless
8. Time
9. I Want It More
10. Latimer's Mercy
11. I Love You All

"DELUXE EDITION"
Disc 2
1. Hand Of The Enemy
2. One More Time
3. Jump The Moon
4. Bark At The Moon (Live)
5. Let Me Hear You Scream (Live)
6. No More Tears (Live)
7. Faries Wear Boots (Live)
日本盤
OZZY OSBOURNE / 「SCREAM」
"DELUXE EDITION" (2CD)
「SCREAM」 (Deluxe Edition)


 これまでのオジーの作品では、ギタリスト交代に伴ってアプローチが
大きく変化していたが、今回は大筋での方向性は前作と違いはない。

 「Soul Sucker」に「Crucify」といったような、オジーならではの歌
声やエキセントリックさをより前面に押し出している作風は、ザックの
キャラクターが強烈だった近作よりもむしろオジーらしい。

 曲中での転調や場面転換の面白さも「Diggin' Me Down」などで強調
されており、ヘヴィな「Latimer's Mercy」から「I Love You All」へ
のつながりも、本作の特徴をよく表現している。

 ガス・Gのプレイは前作までのザックを踏襲し、聴き手が求めるであ
ろう「オジーの楽曲」としての演奏に徹しており、彼ならではのテクニ
カルなプレイは控えめな印象。しかし日本盤ボーナスとして収録されて
いる「Jump The Moon」では彼らしいタッチも顔を見せている。楽曲の
スピーディかつキャッチーな展開もあいまって、ガス・Gとオジーのタ
ッグの魅力を確認できるポイントになっている。