1983年
HOLY DIVER

1984年
LAST IN LINE

1985年
SACRED HEART

1986年
INTERMISSION

1987年
DREAM EVIL

1989年
LOCK UP THE WOLVES

1993年
STRANGE HIGHWAYS

1996年
ANGRY MACHINES

1998年
DIO'S INFERNO

2000年
MAGICA

2002年
KILLING THE DRAGON

2003年
EVIL OR DIVINE

2004年
MASTER OF THE MOON

2005年
HOLY DIVER LIVE

2010年
DIO AT DONINGTON UK





DIO ('83年 - '90年)

1984年


1989年
 BLACK SABBATH脱退後、ロニーはSABBATHで行動を共にしたヴィニ
ー・アピス(Dr)、そしてRAINBOW時代の盟友ジミー・ベイン(B)らと
バンドを結成する。ギタリストには新進気鋭のヴィヴィアン・キャ
ンベルを迎えて、自分自身の理想とするHRの追求に乗り出した。


 '83年の「HOLY DIVER」でバンド・デビュー後、いきなり同年のド
ニントン"MONSTERS OF ROCK"に出演。さらに'84年リリースの2ndア
ルバム「LAST IN LINE」もヒットし、規模の大きなワールドツアー
も行った。しかし'85年発表の「SACRED HEART」ツアー中、ロニーは
ヴィヴィアンを解雇。クレイグ・ゴールディを加入させた。

 クレイグは'87年の「DREAM EVIL」やそのツアーで健闘するが、音
楽シーンにおけるHM/HR人気の移り変わりと共にバンド人気にも陰り
が差してくる。


 '89年発表の「LOCK UP THE WOLVES」では、結果的に従来のメンバ
ーを総入れ替えする形となり、ローワン・ロバートソンを新しいギ
タリストの座に迎えてバンドの再建を図るが、人気の回復は思うよ
うに任せなかった。ロニーは「LOCK UP THE WOLVES」ツアー終了後
の'91年になってBLACK SABBATHへの復帰を決断し、DIOとしての活動
を一時中断する事になる。







1983年
"HOLY DIVER"
(情念の炎)

DIO / 「HOLY DIVER」
1. Stand Up And Shout
2. Holy Diver 
3. Gypsy
4. Caught In The Middle
5. Don't Talk To Strangers
6. Straight Through The Heart
7. Invisible
8. Rainbow In The Dark
9. Shame On The Night

(2005年盤 BONUS MATERIAL)
・. Ronnie James Dio Interview


 記念すべきDIOの1st。メロディはRAINBOWの、ヘヴィなリフや楽曲指向はSABBATHの
エッセンスをミックス。それらを独自に発展させた、それまでのロニーの集大成的な
傑作。どの楽曲も粒ぞろいで、「DIOは1stの頃が一番良かった」と評価されるのも納
得の仕上がり。

 ヴィヴィアン・キャンベルのプレイも、初々しい中にはっきりとした自己主張があ
る。名曲「Don't Talk To Strangers」は、まさにロニーの理想とするロックの一典
型。'05年に全面的なリマスターが行われ、ボーナスとしてロニーのインタビューが
追加された。








1984年
"LAST IN LINE"

「LAST IN LINE」
1. We Rock
2. The Last In Line
3. Breathless
4. I Speed At Night
5. One Night In The City
6. Evil Eyes
7. Mystery
8. Eat Your Heart Out 
9. Egypt (The Chains Are On)


 Keyにクロード シュネルを迎え、バンド編成を整えたロニーは、売れるべく勝負に
出た。メタルキッズの血を滾らせるロックアンセム「We Rock」に始まり、続けてDIO
の代名詞になった「The Last In Line」の荘厳さで客を掴む、というやり方は前作と
ほぼ同じだが、そこからポップな小品がずらりと並ぶ。RAINBOW時代にロニーが拒否
した「ラジオにかかり易い曲」で、アメリカの市場獲得を狙ったのだろうか?

 しかし最後に「Egypt」を持って来る事で、作品全体のイメージを壮大なものにし
ている辺りはさすがロニー。この作戦は図に当たってアメリカでゴールドを獲得。一
般には本作がDIOの代表作とされる。








1985年
"SACRED HEART"

「SACRED HEART」
1. King Of Rock'N'Roll
2. Sacred Heart
3. Another Lie
4. Rock 'N' Roll Children
5. Hungry For Heaven
6. Like The Beat Of A Heart
7. Just Another Day
8. Fallen Angel
9. Shoot Shoot


 前二作の方向性と手法をそのまま引き継ぎ、スピードナンバーの「King Of Rock'N
'Roll」で始まり、壮大な「Sacred Heart」が続く、典型的なDIO作品。

 本作に伴うライヴ活動の最初が、'85年8月の"SUPER ROCK '85"に伴う、バンド初の
来日公演。ヴィヴィアン在籍時の来日はこの1回のみに終わってしまった。

 ちなみに「King Of Rock'n'Roll」は、「ライヴテイクらしく作ろう」というロニ
ーの発案が生んだ「ライヴのようなスタジオテイク」。何も知らなければ本当のライ
ヴと錯覚して当然の、壮絶ヴォーカルがなせる業だ。








1986年
"INTERMISSION"

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(LIVE TRACKS)
1. King Of Rock'N'Roll
2. Rainbow In The Dark
3. Sacred Heart

(STUDIO TRACK)
4. Time To Burn
(LIVE TRACKS)
5. Rock'N'Roll Children
  - Long Live Rock'N'Roll
  - Man On The Silver Mountain
6. We Rock


 ロニーは'86年1月にヴィヴィアンを解雇し、新たにクレイグ・ゴールディをバンド
に加えて「SACRED HEART」ツアーを続行した。そのクレイグをフィーチャーした新作
フルレンス製作までのつなぎとして、'86年に新曲1曲を挟む中途半端なライヴアル
バムを発表した。

 ここで聴けるライヴはヴィヴィアン在籍時最後のツアーからのテイク。「Rock'N'
Roll Children」メドレーではRAINBOW時代の曲も含むDIOお得意の展開が楽しめ、ヴ
ィニー・アピスの豪快なプレイとパイロとおぼしき設備の効果音が印象深い。

 クレイグが弾いているのは「Time To Burn」一曲のみ。やはりラジオを想定した、
比較的ポップなもの。DIOは同時期にライヴをほぼ全編収めたビデオも発表したが、
そちらはすべてクレイグのテイクで統一されている。








1987年
"DREAM EVIL"

「DREAM EVIL」
1. Night People
2. Dream Evil
3. Sunset Superman
4. All The Folls Sailed Away
5. Naked In The Rain
6. Overlove
7. I Could Have Been A Dreamer
8. Faces In The Window
9. When A Woman Cries


 クレイグが作曲に全面参加して制作された5th。世上の評価は厳しいものがあるよ
うだが、個人的には優れた作品だと思う。

 アルバムのマンネリ化を打破すべく、ヴィニーのドラム、クロードのキーボードも
盛んな自己主張を展開している。「Sunset Superman」や「Faces In The Window」そ
して「Dream Evil」は、そのおかげで産まれた佳曲だろう。

 またロニーがRAINBOW脱退後、歌う事を嫌がっていたとされるバラード調のナンバ
ーも「All The Fools Sailed Away」という形で盛り込まれるなど、なかなかバラエ
ティに富んだ構成になっている。








1989年
"LOCK UP THE WOLVES"

「LOCK UP THE WOLVES」
1. Wild One
2. Born On The Sun
3. Hey Angel
4. Between Two Hearts
5. Night Music
6. Lock Up The Wolves
7. Evil On Queen Street
8. Walk On Water
9. Twisted
10. Why Are They Watching Me
11. My Eyes


 バンドの奮起も空しく、よりラウドで過激な方向へ向かう'80年代後半のロックシ
ーンにおいて、DIOはその生存圏を脅かされていった。

 前作のツアーで、若いMETALLICAに客を奪われた屈辱から、ロニーは当時17歳の新
鋭ローワン・ロバートソンをバンドに加え、ヘヴィネスの代名詞たるBLACK SABBATH
的なアプローチで復権を図った。ために曲は重々しく、従来のDIOの持ち味であった
メロディと、適度なポップセンスは完全にスポイルされている。

 だが「Wild One」や「Why Are They Watching Me」では、荒々しくも新しいイメー
ジを創出してはいる。しかしバンドのメンバーは、若手に影響された急激な路線変更
に反発。結果としてメンバー総入れ替えという事態を招き、イメージ悪化・アルバム
セールスも最悪という状況に立ち至る。

 このツアーのミネアポリス公演でギーザー・バトラーに接触したロニーは、復権を
賭けてBLACK SABBATHへの復帰を決意。六年間続いた「第一次DIO」に幕を下ろしたの
である。






DIO ('93年 - 2010年)

トレイシー・G在籍時


ダグ・アルドリッチ在籍時


2004年
 再びBLACK SABBATHを脱退したロニーは、「モダン・ヘヴィネス」
の追求を掲げて、以前とは異なるDIOを立ち上げる。

 この時ロニーの指名を受けたギタリストは、インダストリアル・オ
ルタネイティヴ畑出身のトレイシー・Gだった。この選択が、結果
として両者に不運をもたらしてしまう…。


 この編成では思うような評価が得られず、トレイシーは2枚のスタ
ジオ作と公式ライヴ作品を残してバンドを去る。ファンの期待も受
けて、ロニーは現代的なサウンドを意識しつつ、持ち前のファンタ
ジー路線への回帰を図る。そこで再びジミー・ベイン(B) とクレイ
グ・ゴールディ (G) をバンドに招き、バンドの再建を模索する。

 2002年の「KILLING THE DRAGON」では、元BAD MOON RISINGのダ
グ・アルドリッチ(G) をギターに迎え、ファン間で話題となるが、
結局は'80年代前半のような人気は得られず、バンド内部も以前と較
べてメンバーの移動が多かった。


 '07年になるとロニーは、DIOとの並行という形で三たびアイオミ
との合流を実現し、お互いのキャリアにふさわしい評価と成功を得
た。これで勢いを得たロニーは、'09年にはDIOとしての新たなアル
バム製作を視野に入れ、再びダグ・アルドリッチらとレコーディン
グを行い、シングル「Elektra」を発表する。しかしロニーはすでに
病を得ており、これがDIOとして最末期の音源となってしまった。






1993年
"STRANGE HIGHWAYS"

「STRANGE HIGHWAYS」
1. Jesus,Mary & The Holy Ghost
2. Firehead
3. Strange Highways
4. Hollywood Black
5. Evilution
6. Pain
7. One Foot In The Grave
8. Give Her The Gun
9. Blood From A Stone
10. Here's To You
11. Bring Down The Rain


 「モダン・ヘヴィネスを演奏しなければ、若いファンに受け入れられない」と考え
たロニーが、第二次DIOのスタートに発表した衝撃の「問題作」。

 一般の評価は「駄作」とするが、この作品には、わずかではあるが、本来の「ロニ
ーらしさ」の残り香を感じる。

 「Strange Highways」や「Give Her The Gun」の導入、さらに「Jesus, Mary &
The Holy Ghost」の中盤はロニーらしいメロディが聴かれたし、「Here's To You」
の曲構成自体はかつてのDIOにも存在していた。

 これらの曲は、私は充分「聴けた」。特に「Jesus Mary & The Holy Ghost」は抵
抗もなく楽しめた。これで終われば良かったのだが…。








1996年
"ANGRY MACHINES"

DIO / 「ANGRY MACHINES」
1. Institutional Man
2. Don't Tell The Kids
3. Black
4. Hunter Of The Heart
5. Stay Out Of My Mind
6. Big Siste
7. Double Monday
8. Golden Rules
9. Dying In America
10. God Hates Heavy Metal
11. This Is Your Life


 ロニーがトレイシーとともに「モダン・ヘヴィネス路線」の2作目として発表した
作品。前作以上に各曲でヘヴィネスとメタリックなエッジが徹底されている。ロニー
はトレイシーを「トニー・アイオミ型」と評価し、そのキャラクターを活かした方向
性を模索したが、ファンの評価は厳しかった。「Don't Tell The Kids」はDIOのスピ
ードナンバーとしてそれなりの出来であり、他の楽曲も部分的にはかつてのDIOらし
い側面を見せることはあったが・・・。

 貴重な例外はラストの「This Is Your Life」。このバラードはアルバム中でも例
外的に美しいメロディが聴け、'90年代のDIOでも特に印象深い一曲となった。








1998年
"DIO'S INFERNO - THE LAST IN LIVE"

Disc 1
1. Introduction
2. Jesus,Mary & The Holy Ghost
3. Straight Through The Heart
4. Don't Talk To Strangers
5. Holy Diver
6. Drum Solo
7. Heaven And Hell
8. Double Monday
9. Stand Up And Shout

Disc 2
1. Mistreated - Catch The Rainbow
2. Guitar Solo
3. The Last In Line
4. Rainbow In The Dark
5. Mob Rules
6. Man On The Silver Mountain
7. Long Live Rock'N'Roll
8. We Rock

(日本盤のみのボーナス)
9. After All (The Dead)
10. I (アイ)
11. Interview With Ronnie James Dio
日本盤 (廃盤)

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海外盤

DIO / 「DIO' INFERNO」

 それまでライヴ・ビデオは発表してきたDIOであったが、長らくフルレ
ンスのライヴ・アルバムはリリースして来なかった。本作はDIOとして初
めての公式フルレンス・ライヴアルバム。音源としてのライヴ作品とし
ても、1986年の「INTERMISSION」以来、約12年ぶりとなった。


 この時点までのロニーが積み重ねたキャリアがほぼ網羅されており、
彼を追いかけてきたファンならばどこを聴いても楽しめる。そうなると
数曲ある「モダン・ヘヴィネス曲」が邪魔に感じるが、スタジオ作品のよ
うな余計なエフェクトや空間処理をしていない分、ロニーの生の声を聞
く事ができるため、聴けないような事はない。

 本作で聴けるトレイシー・Gのプレイは、独特の粘り気とタメの効い
た音色が非常に印象的。思わぬプレイで再現されるDIOクラシックは面白
い。BLACK SABBATHナンバーも相性がよく、ロニーが彼を擁護したのも納
得できる。

 独自のカラーを打ち出した「Mistreated - Catch The Rainbow」のメ
ドレーや、聴き応えあるBLACK SABBATHナンバーが彼の演奏で公式として
残されたのは、むしろ喜ぶべきだろう。








2000年
"MAGICA"

「MAGICA」
1. Discovery
2. Magica Theme
3. Lord Of The Last Day
4. Fever Dreams
5. Turn To Stone
6. Feed My Head
7. Eriel
8. Challis
  (Marry The Devil's Daughter)
9. As Long As It's Not About Love
10. Losing My Insanity
11. Anica
12. Otherworld
13. Magica (Reprise)
14. Lord Of The Last Day (Reprise)

(BONUS TRACK)
15. Magica (The Story)


 トレイシー・Gに別れを告げ、旧メンバーのジミー・ベインとクレイグ・ゴールデ
ィを呼び戻し、ファンの念願叶ってファンタジー路線回帰・・・・・・と思われたが、ロニ
ーはあくまでも「新たな方向性」での前進を図った。ロニーは「コンセプト・アルバ
ム製作のためにファンタジーの手法も用いる」として、前作までに得られた現代的な
サウンドやアプローチも活用しようとした。

 本作のうち「Fever Dreams」や、「As Long As It's Not About Love」は久しぶり
にロニーの持ち味が生きた曲。「Losing My Insanity」の意表をつく曲展開は、ロニ
ーの近作中でも特に楽しめるものだった。ロニーは生前、この物語の発展とミュージ
カル化に期待を抱いたが・・・・・・。








2002年
"KILLING THE DRAGON"

「KILLING THE DRAGON」
1. Killing The Dragon
2. Along Comes A Spider
3. Scream
4. Better In The Dark
5. Rock & Roll
6. Push!
7. Guilty
8. Throw Away The Children
9. Before The Fall
10. Cold Feet


 クレイグが個人的な理由でバンドを離れ、元BAD MOON RISINGの腕利きギタリスト
のダグ・アルドリッチを迎えた作品。ギターの腕前だけならば、おそらく歴代のDIO
でも一番のダグのプレイは、(彼としては比較的おとなしめだが)随所に「らしさ」
を感じさせるもの。

 かつてDIOが生み出した名曲と較べると、さすがに印象は一歩譲るが、「Killing
The Dragon」と「Along Comes A Spider」は、2000年以降のDIOを代表する曲。しか
しダグが短期のツアー後にWHITESNAKEへ引き抜かれたのちは、目も当てられないお家
騒動で揺れ動き、結局クレイグが二度目の出戻り。

 その後はメンバーチェンジも落ち着いて、離脱したダグも事あるごとに、ロニーと
はショウやレコーディングで協力した。








2003年
"EVIL OR DIVINE"

1. Killing The Dragon
2. Egypt - Children Of The Sea
3. Push!
4. Drum Solo
5. Stand Up And Shout
6. Rock And Roll
7. Don't Talk To Strangers
8. Man On The Silver Mountain
9. Guitar Solo
10. Long Love Rock'N'Roll
11. Lord Of The Last Day
12. Fever Dream
13. Holy Diver
14. Heaven And Hell
15. The Last In Line
16. Rainbow In The Dark
17. We Rock

(DVD BONUS TRACKS)
 ・ Interview
 ・ Behind The Scenes Footage
 ・ Promo Video For 「Push!」
DVD
DIO / 「EVIL OR DIVINE」
CD
「EVIL OR DIVINE」 (CD)

 ダグを擁するラインナップの公式ライヴDVD。後にCDも発売された。

 パッケージ裏の解説によれば、'02年12月13日、ニューヨーク公演をそ
のまま収録したもの。還暦をとっくに越えている事など嘘のような、ロ
ニーの気合のはいったパフォーマンスを楽しむ事ができる。当初リリー
スされた海外盤DVDの画質は、正直いまいちだと思うが、音質は良い(後
発の国内盤DVDでは画質が大きく向上している)。

 セットリストはRAINBOW、BLACK SABBATH、そしてDIOの定番曲に新曲を
少々といったもので、特筆するものはない。しかしダグの鮮やかなギタ
ー・プレイはこれら定番すら目新しく感じさせる。

 ライヴのほかにバックステージの模様や、当時の新曲「Push!」のビデ
オクリップを収録。特に後者は、演技する御大が見所。








2004年
"MASTER OF THE MOON"

DIO / 「MASTER OF THE MOON」
1. One More For The Road
2. Master Of The Moon
3. The End Of The World
4. Shivers
5. The Man Who Would Be King
6. The Eyes
7. Living A Lie
8. I Am
9. Death By Love
10. In Dreams

(BONUS TRACK)
11. Prisoner Of Paradise


 二度目のクレイグ復帰作は「MAGICA」のパート2とはならず、かつての「80年代
DIO」の色合いをより取り戻した作風となった。全体を支配する雰囲気はまさに「こ
れぞDIO」で、BLACK SABBATHらしいヘヴィネスと陰鬱さも程好いスパイスとして利か
せている。

 「One More For The Road」は過去の名曲「Stand Up And Shout」や「King Of
Rock 'N' Roll」の流れを汲む正統的なDIO流スピードナンバー。「The Eyes」はアル
バムリリース前からライヴ演奏が行われていた、ロニー御大の自信作。その自信に相
応しい壮大な曲調は「Sacred Heart」に近いものがある。コーラス部分でロニーが
SABBATH時代に歌った「War Pigs」を思い出させるのもいい感じだ。 








2006年
"HOLY DIVER LIVE"

Disc 1
1. Stand Up And Shout
2. Holy Diver
3. Gypsy
4. Caught In The Middle
5. Don’t Talk To Strangers
6. Straight Through The Heart
7. Invisible
8. Rainbow In The Dark
9. Shame On The Night

Disc 2
1. Tarot Woman
2. Sign Of The Southern Cross
3. One Night In The City
4. Gates Of Babylon
5. Heaven And Hell
6. Man On The Silver Mountain
7. Long Live Rock'N'Roll
8. We Rock
DVD
「HOLY DIVER LIVE」 (DVD)
CD
DIO / 「HOLY DIVER LIVE」 (CD盤)


 「HOLY DIVER」の完全再現が話題となっていた"AN EVENING WITH DIO"
ツアーから、イギリスツアーの最終日にあたる、'05年10月22日のロンド
ン・アストリア公演を公式音源としてリリースしたもの。この時のツア
ーはクレイグ・ゴールディがプレイするはずだったが、彼が腕の負傷で
リタイアしたため、結果的にダグ・アルドリッチを擁する編成でのライ
ヴ音源となった。

 「HOLY DIVER」パートをCD1枚に完全収録することで、このツアーが意
図していた「コンセプト性」をとどこおりなく再現する事に成功してお
り、この判断の正しさを証明している。

 また、「Tarot Woman」や「Gates Of Babylon」など、これまで公式ラ
イヴ音源が無かった楽曲がふんだんに盛り込まれるなど、聴き所が非常
に多いのも特徴だ。本作はCDのみならずDVDもリリースされており、そち
らもファン必見。








2010年
"DIO AT DONINGTON UK"

Disc 1
01. Stand Up And Shout
02. Straight Through The Heart
03. Children Of The Sea
04. Rainbow In The Dark
05. Holy Diver
06. Drums Solo
07. Stargazer
08. Guitar Solo
09. Heaven And Hell
10. Man On The Silver Mountain
11. Starstruck
12. Man On The Silver Mountain (Reprise)

Disc 2
01. Dream Evil
02. Neon Knights
03. Naked In The Rain
04. Rock'N'Roll Children
05. Long Live Rock'N'Roll
06. The Last In Line
07. Children Of The Sea
08. Holy Diver
09. Heaven And Hell
10. Man On The Silver Mountain
11. All The Fools Sailed Away
12. The Last In Line (Reprise)
13. Rainbow In The Dark
「AT DONINGTON UK : LIVE 1983 & 1987」

 ロニー没後に発表されたライヴ作品。ドニントン"MONSTERS OF
ROCK"出演時の模様を、BBCの放送用元マスターから音盤化してい
る。いずれの音源もブートで各種出回っていたが、それらはほとん
どが放送のエアチェック素材だった。それらに対し本音源は、クリ
アでありながら耳当たりのよいサウンドで、メンバー各人のプレイ
もそれぞれはっきりと聴き分けられる。

 Disc 1では'83年のテイクを収録。演奏だけでなくオーディエンス
の盛り上がりも克明に捉えた臨場感、大迫力でありながら聴き易い
音像が魅力。スタートしたばかりのDIOの勢いとパワーをそのまま形
にしたようなサウンドだ。中でも「Straight Through The Heart」
や「Rainbow In The Dark」は本当に素晴らしいテイクで、聴くたび
に言葉を失いそうになってしまう。残念ながらアンコールの「Evil
Eye」だけは未収録。

 Disc 2は'87年のテイク。複数知られるブートを"無かった事"にし
たいくらい強烈かつクリアなサウンド。ロニーはもちろんヴィニ
ー・アピスやクレイグ・ゴールディのプレイもクリアに際立って感
じられる。「Neon Knights」の凄まじさは言葉に出来ないくらい
で、BLACK SABBATHの公式音源「LIVE AT HAMMERSMITH」もかくやと
言うほど圧倒的。また「Rock 'N' Roll Children」と「Long Live
Rock 'N' Roll」のメドレーや、20分を越える「The Last In Line」
組曲もこの音で楽しめるのは嬉しい。

 本作を聴けばクレイグ時代のイメージが大きく変わる事は必至。