1988年
THE TALISMAN

1991年
BACK WHERE I BELONG

1993年
EVOLUTION

1999年
GIUNTINI PROJECT 2
THE CAGE

2002年
THE CAGE 2
OUR CROSS OUR SINS

2005年
SCREAM

2006年
GIUNTINI PROJECT 3
CLASSIC SNAKE LIVE
THE RAVEN RIDE

2012年
THE THIRD CAGE

2013年
GIUNTINI PROJECT 4





トニー・マーティンのソロとセッション活動

MOLLO / MARTIN 2002年


Tony Martin's HEADLESS CROSS
2012年
 トニー・マーティンは'80年代はじめから半ばにかけて、ORIONや
ALLIANCEといったイギリスのローカル・バンドで活動していた。

 当時、彼のマネージャーを務めていたアルバート・チャップマン
がトニー・アイオミと懇意にしていたあった事から、グレン・ヒュ
ーズに代わるシンガー候補としてリストアップされる。この'86年の
時点では、直ちに参加できたレイ・ギランが即戦力以上の働きを見
せたため、SABBATH加入は一旦流れた。しかし翌年、レイ・ギランも
バンドを脱退したため、サバスへと迎え入れられた。


 サバスにおける彼は、アイオミやコージー・パウエルらとバンド
再建に奮闘するが、ロニー・ジェイムズ・ディオの加入に伴いソロ
に転向する。'93年には再びサバスに加入するも、'95年ツアーの終
了と同時にバンドは解体。

 その後はソロ活動のほか、ダリオ・モロやアルド・ジュンティー
ニ,さらにロルフ・ムンケスといったギタリストとのセッション活
動も幅広く行い、優れた歌唱を随所で披露している。

 2012年には旧知のダリオ・モロやジェフ・ニコルズらをメンバー
に迎え、ソロバンド"Tony Martin's HEADLESS CROSS"としてライヴ
を行った。






1988年 - FORCEFIELD
"THE TALISMAN"

FORCEFIELD / 「THE TALISMAN」
01. The Talisman
02. Year Of The Dragon
03. Tired Of Waiting For You
04. Heartache
05. Good Is Good
06. Carrie
07. Without Your Love
08. I Lose Again
09. The Mercenary
10. Black Night - Strange Kind Of Woman
11. I Lose Again (Instrument Version)


 コージー・パウエルのプロジェクト,FORCEFIELDの第二弾。
 オープニングの「The Talisman」と後半の「The Mercenary」,ラストのヴァー
ジョン違い「ILose Again」がインストで、他の8曲がマーティンの歌入り。ヘヴィ
メタル然とした鋭さや重さはあまり無いのだが、要所要所できりりと締まるタイト
さや、ジャズ/ブルーズの要素もふんだんに取り込んだ多様性は、職人揃いの旨み
がぎっしりと詰まっている。コージーのドラムも、この当時大活躍していた"ハー
ドロックのカリスマ"としてではなく、様々な楽曲を巧みにこなすセッションマン
としてのいでたち。どっしりとした器の大きなプレイで楽しませてくれる。

 歌入りの曲は、どれもマーティンの個性に沿ったメロディアスな作風。
 特に「Heartache」と「I Lose Again」のバラード2曲で切々と歌い上げる場面は
シリーズでも屈指の聴き所。







1992年 - SOLO
"BACK WHERE I BELONG"

BACK WHERE I BELONG
01. If It Ain't Worth Fighting For
02. It Ain't Good Enough
03. If There Is The Heaven
04. Back Where I Belong
05. Ceasefire
06. Why Love
07. Sweet Elise
08. The Last Living Tree
09. Now You've Gone
10. India
11. Angel In The Bed
12. The Road To Galilee
13. Jerusalem


 ロニー・ジェイムズ・ディオの復帰に伴い、やむなくBLACK SABBATHを脱退した
マーティンはソロ活動に転向する。本作「BACK WHERE I BELONG」は、その状況下
で生み出された、'92年発表の1stソロ・アルバム。

 さらりとした触感が特徴的なAOR風作品。歌いまわしやメロディは、力まずリラ
ックスしたものだが、BLACK SABBATHでのマーティン像を崩すものではない。

 「If It Ain't Worth Fighting For」と「Back Where I Belong」は、優れたメ
ロディが素晴らしく、まさに名曲といえる。インスト「The Road To Galilee」か
らメドレー展開する「Jerusalem」は、BLACK SABBATHにおける同曲のアレンジ・リ
メイクだが、個人的にはこちらの方が優れていると思う。

 本作ではジェフ・ニコルズやニール・マーレイらがゲスト参加。マーティンは本
作に伴うツアーを、コージー・パウエルと合同して行った。







1993年- MISHA CALVIN
"EVOLUTION"

MISHA CALVIN / 「EVOLUTION」
01. Strangers
02. Ready Or Not
03. Put A Little Faith In Me
04. Valhalla
05. Reaper
06. Don't Let It Go
07. Can't Hold Me
08. Evolution
09. Here I Am
10. Heaven Only Knows
BONUS TRACKS (DEMO VERSION)
11. Keep In Touch
12. Put A Little Faith In Me
13. Strangers
14. Can't Hold Me
15. Reaper
16. Ready Or Not


 ALLIANCEなどでマーティンとは旧知のギタリスト,ミシャ・カルヴィンが'93年
にリリースした作品。「Don't Let It Go」,「Can't Hold Me」,「Heaven Only
Knows」の3曲はELEGYのイアン・パリーが歌唱。「Valhalla」と「Evolution」はイ
ンスト。残りの11曲でマーティンの歌が楽しめる。

 オープニングの「Strangers」からキーボードとエレピの打ち込みが全開。非常
にきらびやかで透明感のある、メロディアスなサウンドが身上となっている。当時
のマーティンにはうってつけの音楽性で、力強く伸びるウエットな歌声には惚れ惚
れとしてしまう。特にマーティン単独で作曲クレジットされている「Ready Or
Not」は、急流のような緊迫感とたおやかな表情を使い分けつつ、キャッチーなコ
ーラスが親しみやすいという秀逸なハードポップナンバー。BLACK SABBATH時代を
含めてもなお、マーティンの傑作の一つに数えられる佳曲だろう。 







1999年- GIUNTINI PROJECT
"2"

01. Sacrifice
02. Dead Ringer
03. Letters From The Dead
04. Superstitious
05. Resurrection Day
06. House Of The Spirits
07. Spiteful Ghosts
08. Cyberchrist
09. Shadowlands
10. Saved By Love
11. Too Much Too Late
12. Baghdad
13. The Evil That You Do
14. Reactor
15. Satan Rising


 イタリア人ギタリスト,アルド・ジュンティーニのプロジェクト。マーティンは
2作目と3作目にフル参加した。

 '99年リリースの本作「2」は、作風的に'80年代BLACK SABBATHとネオクラシカル
様式美の中間という印象。極度に押し付けがましく弾き倒しているわけでもなく、
その辺は好印象。マーティンが主張する余地は大きく、メロディ優先の曲作りがな
されている。「Dead Ringer」や「Shadowlands」は明らかにお約束的な作りだが、
丁寧に作りこまれており、メロウで優れた様式美ナンバーだ。

 しかし曲数が多すぎるせいか、楽曲一つ一つの印象が薄くなってしまっているの
は残念。







1999年 - MOLLO / MARTIN
"THE CAGE"

THE CAGE
01. Cry Myself To Death
02. Time To Kill
03. The Cage / If You Believe
04. Relax
05. Smoke And Mirrors
06. Infinity
07. Dead Man Dancing
08. This Kind Of Love
09. Stormbringer
10. Soul Searching


 BLACK SABBATH脱退直後のマーティンは、様々なセッション活動に参加していた
ものの、特定のバンドやプロジェクトを立ち上げる事は無かった。しかし1999年に
なると、イタリア人技巧派ギタリスト,ダリオ・モロとユニットを結成する。本作
「THE CAGE」はその第一作目。ドン・エイリー(Key)がゲストとして全面参加し
て、作品を盛り上げている。

 基本的にヘヴィで重厚な曲が並ぶ。その中で「Time To Kill」といったスピー
ド・ナンバーや、「This Kind Of Love」といったキャッチーな曲、そしてマーテ
ィンお得意のバラード「Soul Searching」などが良いフックになっている。

 後半の「Stormbringer」は、もちろん第三期DEEP PURPLEのカバー(ダリオ・モ
ロは第三期DEEP PURPLEに思い入れを持っているらしい)。







2002年 - MOLLO / MARTIN
"THE CAGE 2"

「THE CAGE II」
01. Guardian Angels
02. Poison Roses
03. Terra Toria
04. Overload
05. Amore Silenzioso
06. Life Love And Everything
07. Theater Of Dreams
08. The Balance Of Power
09. U
10. Wind Of Change
11. Dazed And Confused
12. Over A.


 ダリオ・モロは'99年にマーティンとの第一作を発表した後、グレン・ヒューズ
ともプロジェクトを起動し、アルバム「VOODOO HILL」を発表していた。その後再
びマーティンと曲作りを行い、2002年には本作「THE CAGE 2」を発表する。

 前作以上にマーティンの色合いがより前面に出ていて、対等なプロジェクトであ
る事が強調されている。また、本作ではトニー・フランクリン(B)がゲスト参加
している。

 ダリオが紡ぐギターの押しの強さは相変わらずだが、マーティンも「Guardian
Angel」や「The Balance Of Power」で力強く、メロディアスに渡り合っている。
また「Overload」,「Amore Silenzioso」で聴かせるエモーショナルなヴォーカル
も素晴らしい。マーティンのファンならば聴くべき一枚だ。







2002年 - RONDINELLI
"OUR CROSS OUR SINS"

「OUR CROSS ・ OUR SINS」
01. The Meaning Of Evil
02. It's A Lie
03. Midnight Hour
04. Naughty Dragon
05. Dawn
06. Find The One
07. Bulls Eye
08. Time
09. Ride On Fire
10. Our Cross Our Sins


 ボビー・ロンディネリ(Dr)とテディ・ロンディネリ(G)の兄弟が、'80年代に
も組んでいたユニットを再開した、RONDINELLIの作品。

 こぢんまりと纏まった、オーセンティックなハードロック作品だけに、マーティ
ンの歌唱がひときわ映える結果になっていて、マーティンのファンは聴きこむ事が
出来ると思う。BLACK SABBATHやMOLLO / MARTINほど印象的な楽曲が無いのが欠点
ではあるが、作品としての出来は充分及第点だろう。「Naughty Dragon」でのドラ
マティックな歌いまわしはマーティンならでは。メロディはマーテインのものだと
思われるが、作曲クレジットにマーティンの名は出てこない。







2005年 - SOLO
"SCREAM"

「SCREAM」
01. Rising Hell
02. Bitter Sweet
03. Faith In Madness
04. I'm Gonna Live Forever
05. Scream
06. Surely Love Is Dead
07. The Kids Of Today
08. Wherever You Go
09. Field Of Lies
10. Unbearable


 マーティンが2005年に発表した2ndソロ・アルバム。ジェフ・ニコルズが全面的
に協力した本作は、「Bitter Sweet」や「Field Of Lies」など、マーティン時代
のBLACK SABBATHを連想させる、メロディアスで神秘的な楽曲を含んでいる。

 コージー・パウエルのリズムトラックを使用したとされる曲「Rasing Hell」
は、RAINBOWの「All Night Long」を思わせるリフとコード進行を持つ。アルバム
全体がヘヴィネス重視のメロディアスなミッドナンバーで占められているので、即
効性に欠ける嫌いがある中、この「Rasing Hell」は直ぐに"乗れる"キャッチーさ
がある(しかし同曲は、実際にはBLACK SABBATHが1991年の「DEHUMANIZER」セッシ
ョンで生み出した曲である)。

 これ以外にもマーティンが一人で仕上げたという「I'm Gonna Live Forever」や
タイトルトラック「Scream」は、ダリオ・モロとのプロジェクトでの雰囲気を漂わ
せるなど、彼のキャリアの旨みを凝縮している優れた内容だ。







2006年- GIUNTINI PROJECT
"3"

01. Gold Digger
02. Not Connected
03. Que Es La Vida
04. Early Warning
05. Fool Paradise
06. Tutmosi 2-Tarantula
07. Anno Mundi
08. Disfunctional Kid
09. Mourning Star
10. Trouble Just Keep Coming
11. The Closest Thing To Heaven
12. Memories In The Sand
13. Tarot Warrior


 ジュンティーニ・プロジェクトが約7年ぶりにリリースした3作目。
 本作も基本的に前作の延長線上といえるサウンド。クリス・インペリテリのよう
なキレの良い早弾きギターリフに、マーティンのメロウな歌声が映える理想的な様
式美サウンドである。特に「Not Connected」と「Early Warning」は、双方の持ち
味がお互いをより良く引き立てる好ナンバーで、マーティンが伸びやかに歌い上げ
るフック満載の歌メロディは大変に心地よい。「Trouble Just Keeps Coming」は'
80年代のBLACK SABBATHそのままのスタイルでありながら、転調の際のポップでキ
ャッチーなアレンジが、単なる焼き直しに終わらない独自性を主張している。

 なお「Anno Mundi」はもちろん「TYR」収録の同曲をカヴァーしたもの。メイン
のヴォーカルラインがライヴ・バージョンに近いというのも特徴か?







2006年 - M 3
"CLASSIC SNAKE LIVE"

「CLASSIC SNAKE LIVE」 (VOLUME 1 & 2)
Disc 1
01. Walking In The Shadow Of The Blues
02. Don't Break My Heart Again
03. Lonly Days Lonly Nights
04. Hit An' Run
05. Ready An' Willing
06. Ain't Goona Cry No More
07. Young Blood
08. Ain't No Love In The Heart Of The City
09. Child Of Babylon
10. Here I Go Again
11. Take Me With You
Disc 2
01. Trouble
02. Slow An' Easy
03. Love Hunter (Reprise)
04. Crying In The Rain
05. Medicine Man
06. Fool For Your Loving
07. Wine Woman And Song


 マーティンの"M 3"在籍時の公式ライヴ。'03年のヨーロッパツアーを元に製作さ
れた作品。海外では以前から流通していたが、日本国内での発売は'06年と、かな
り遅れてしまった。

 WHITESNAKEナンバーのみのライヴとは言え、マーティンもいたずらにデイヴィッ
ド・カヴァデールの代役に収まっている訳ではない。ここでは現在のマーティンに
よく似合う、メロディアスなハード・ブルーズを情感たっぷりに聴かせてくれる。
特に「Lonly Days, Lonly Nights」の泣き節は、マーティンのウェットな歌声が素
晴らしくマッチした成果だろう。

 現在のマーティンは、確かに'87年頃のような透き通るクリアさや、突き抜ける
ハイトーンは影を潜めた。しかし湿り気とブルージーさの幅を増した現在の声質
は、初期WHITESNAKEナンバーにとって理想的なの声かも知れない。







2006年 - EMPIRE
"THE RAVEN RIDE"

EMPIRE / 「THE RAVEN RIDE」
01. The Raven Ride
02. Breathe
03. Carbon Based Lifeform
04. Satanic Curses
05. Al - Sirat -
   The Bridge To Paradise
06. What Would I Do?
07. Changing World
08. Maximum
09. I Can't Trust Myself
10. The Devil Speaks, The Sinner Cries
(BONUS TRACK)
11. Carbon Based Lifeform
 (Alternate Version)


 ドイツ人ギタリスト,ロルフ・ムンケスのプロジェクト。
 ミッドテンポを基本としたヘヴィで重厚な曲世界に、しなやかなヴォーカルを舞
わせるという、マーティンの理想的な作品を地でいく作風。誰から指摘されるまで
もなく、'80年代後期のBLACK SABBATHを連想させる音作り。しかしサウンドで似通
っているのは、"雰囲気"や"ムード"といった味付けレベルに留まっている。

 タイトル曲の「The Raven Ride」や「Satanic Curses」といったメロウなナンバ
ーの出来栄えは、マーティンのファンが望む仕上がり。その一方、イントロのラウ
ドな歌唱が印象的な「Maximum」や、リズムとメロディの妙を心得たハードポップ
「I Can't Trust Myself」など、一見"らしくない"楽曲も目を引く。







2012年 - MOLLO / MARTIN
"THE THIRD CAGE"

01. Wicked World
02. Cirque Du Freak
03. Oh My Soul
04. One Of The Few
05. Still In Love With You
06. Can‘t Stay Here
07. War Dance
08. Don't Know What It Is About You
09. Blind Fury
10. Violet Moon
11. Violet Moon (Alternate Mix)


 約10年ぶりのアルバム発表となった、モロ/マーティンの3作目。
 従来のダリオ・モロ作品同様、ヘヴィで重厚なギターに対し、メロディアスなヴ
ォーカルが競い合う作風。本作ではオープニングの「Wicked World」に代表される
ように現代的なヘヴィナンバーが多く、前作よりは1stの「THE CAGE」に近い印
象。リフが重厚でヘヴィな事を除けば、サバス的なムードは余り無い。ギターはテ
クニカルな速弾きも多いし、マーティンのメロディも意外なくらいキャッチーな曲
がある。

 ラストの「Violet Moon」別ミックスは、トラック10の同曲を洗練し、アコース
ティック・ギターやコーラスを盛り込んだ内容。







2013年- GIUNTINI PROJECT
"4"

01. Perfect Sorrow
02. Born In The Underworld
03. Shadow Of The Stone
04. Cured
05. I Don't Believe In Fortune
06. If The Dream Comes True
07. The Rise And Fall Of Barry Lyndon
08. Bring On The Night
09. Not The Jealous Kind
10. Saint Or Sinner
11. Your Love Killing
12. Last Station: Nightmare
13. How The Story Ends
14. The Truth Never Lies


 再び7年越しとなった、ジュンティーニ・プロジェクトの4作目。
 アルド・ジュンティーニと親交があるダリオ・モロがプロデュースとミックスを
担当しているほか、マーティン以外にもダリオと共演経験があるプレイヤーが協力
している。

 同時期に製作されたMOLLO / MARTINの「THE THIRD CAGE」がヘヴィで現代的な路
線だったのに対し、本作はキャッチーでスピーディな「Perfect Sorrow」や「If
the Dream Comes True」のように'80年代的な要素が盛り込まれているのが特徴。
マーティンの個性や魅力を「THE THIRD CAGE」とは違う形で活かしている。またト
ラック7の「The Rise And Fall Of Barry Lyndon」はシンフォニックでネオ・クラ
シカルなインスト。メロディアスなサウンドが好きな人は「THE THIRD CAGE」より
もすんなりと聴き込めるだろう。