1977年
LIVE AT BUDOKAN

1978年
GILLAN

1979年
MR. UNIVERSE

1980年
GLORY ROAD

1981年
FUTURE SHOCK
DOUBLE TROUBLE

1982年
MAGIC

1988年
ACCIDENTALLY ON PURPOSE

1990年
NAKED THUNDER

1991年
TOOLBOX

1997年
DREAMCATCHER
GILLAN AT THE BBC

2002年
ON THE ROCKS

2006年
GILLAN'S INN

2008年
LIVE AT ANAHEIM

2009年
ONE EYE TO MOROCCO
TRIPLE TROUBLE




イアン・ギランのソロ活動

1980年


2009年
 1973年にDEEP PURPLE脱退をしたイアン・ギランは、一時期の実業
家活動を経たのち、'76年からIAN GILLAN BANDとして本格的な音楽
活動を再開する。'78年にはコリン・タウンズ以外のメンバーを一新
してハードロック路線に転換し、GILLANとして活動を開始。バーニ
ー・トーメを擁した「GLORY ROAD」や「FUTURE SHOCK」は、イギリ
スで高い評価を受けた。その後ギターはヤニック・ガーズに交代
し、「DOUBLE TROUBLE」や「MAGIC」をリリースするが、'82年に
GILLANは解体。イアン・ギランはBLACK SABBATHへと加入する。

 BLACK SABBATHを'84年に脱退したギランは同年、第二期編成によ
るDEEP PURPLE再結成に参加。大きな成功を収めるが、'87年にはリ
ッチー・ブラックモアと対立し、'89年にはDEEP PURPLEを「脱退」
では無く「解雇」されてしまう。そのためギランは再びソロ活動に
転身する事になった。

 しかし'92年、ギランはロジャー・グローバーらの呼びかけにより
三度DEEP PURPLEへ参加。'93年のツアー中にリッチーがPURPLEを脱
退した事で、PURPLEはギランのコントロール下に置かれる事となっ
た。その後ギランはPURPLEのオフを利用し、リラックスしたムード
のソロアルバムを発表している。






1977年 - IAN GILLAN BAND
"LIVE AT BUDOKAN"

「LIVE AT THE BUDOKAN」
Disc 1
1. Clear Air Turbulence
2. Scarabus
3. Money Lender
4. Twin Exhausted
5. Over The Hill
Disc 2
1. Mercury High
2. Smoke On The Water
3. Child In Time
4. Woman From Tokyo


 IAN GILLAN BAND時代、1977年に実現したソロ初来日より、日本武道館でのライ
ヴを収録した二枚組。音質はこれが30年も昔とは思えないほど素晴らしい。

 ジャズ・フュージョンを背景に持つミュージシャンが脇を固めただけあって、演
奏面でのインタープレイの面白さはスタジオ盤をはるかに上回る。

 「Child In Time」でのレイ フェンウィックのプレイは感動的で、本作でも特に
聴き応えがる演奏を楽しめる。







1978年 - GILLAN
"GILLAN"

1. Street Theatre
2. Secret Of The Dance
3. I'm Your Man
4. Dead Of Night
5. Fighting Man
6. Message In A Bottle
7. Not Weird Enough
8. Bringing Joanna Back
9. Abbey Of Thelma
10. Back In The Game
11. Vengeance (Take 2)
12. Move With The Times
13. Sleeping On The Job (take 2)
14. Roller (Take 2)


 IAN GILLAN BANDに見切りをつけたギランは、コリン・タウンズ(Key)以外のメ
ンバーを解雇し、新たにジョン・マッコイ(B),リアム・ゲノッキー(Dr),ス
ティーヴ・バード(G) を迎え、新生GILLANとしてHRへの転進を図った。

 ジャズロック時代とは比較にならないほど音のエッジは強さを増し、ギランのヴ
ォーカルも第二期DEEP PURPLEを彷彿させる。「Secret Of The Dance」と「Dead
Of Night」はバンドの新たな方向性を体現した佳曲だし、「Fighting Man」は間違
いなく名曲。

 なお、GILLANの初期作品はレコード会社との契約や経営の関係から、海外盤と日
本盤で大きく収録曲が異なっている。写真は'98年再発の「JAPANESE ALBUM」の物
で、以降のアルバムに収録されている曲の別テイクが4曲収録されている。







1979年 - GILLAN
"Mr. UNIVERSE"

「Mr, UNIVERSE」
1. Second Sight
2. Secret Of The Dance
3. She Tears me Down
4. Roller
5. Mr. Universe
6. Vengeance
7. Puget Sound
8. Dead Of Night
9. Message In A Bottle
10. Fighting Man

(BONUS TRACK)
11. Smoke On The Water (Studio Live)


 前作ツアー中にドラムがリアム・ゲノッキーからピート・バーナクルに交代した
ものの、HRへの転進が成功し、昇り調子のバンドには大きな影響はなかった。そし
て本作にてギターにバーニー・トーメ、ドラムに旧知のミック・アンダーウッドが
加入し、黄金期のラインナップが完成する。

 楽曲のほとんどは前作の製作時にアイディアが固まっていたが(一部は旧メンバ
ーによるテイクも存在する)、タイトル曲「Mr. Universe」では、新加入の二人が
それぞれ自己紹介をするような聴かせ所たっぷりのプレイを披露。「Roller」はイ
アン・ギランという男をそのまま曲にしたようなハードロックンロール。'90年の
ソロライヴでも演奏された「Puget Sound」も同作収録曲。本作での内容の濃さと
セールスの成功で、GILLANは大手レコード会社と契約した。







1980年 - GILLAN
"GLORY ROAD"

(Original Album)
01. Unchain Your Brain
02. Are You Sure?
03. Time And Again
04. No Easy Way 
05. Sleeping On The Job
06. On The Rocks
07. If You Believe Me 
08. Running, White Face, City Boy
09. Nervous

Disc 2
"For Gillan Fans Only"
01. Higher And Higher
02. Your Mother Was Right
03. Redwatch
04. Abbey Of Thelema
05. Trying To Get To You
06. Come Tomorrow
07. Dragon's Tongue
08. Post Fade Brain Damage
09. Egg Timer
10. Harry Lime Theme
11. Handles On Her Hips
12. I Might As Well Go Home (Mystic)
海外盤・2CD
「GLORY ROAD」
オリジナル盤


 「GILLANの最高傑作は何?」と聞かれた場合、大抵は本作の名が挙げ
られる、名実共にバンドの代表作。本作からバーニー・トーメが本格的
に作曲に関わるようになって、随所でジミ・ヘンドリクスばりのプレイ
を炸裂させている。

 攻撃性を前面に押し出した「Unchain Your Brain」はインパクト大。
さらに「Mr. Universe」の延長線上にある壮大なナンバー「On The
Rocks」など、どこから聴いてもガツンとくるハードナンバーが揃って
いる。それらとは対照的なブルーズ系バラード「If YouBelieve Me」も
バンドを代表する一曲だ。

 本作LPの初回の初回プレスには、"For Gillan Fans Only"と題する特
別LPが付属していた。そこでは新曲の他リミックス曲や各メンバーのソ
ロをフィーチャーしたインスト、カバー曲などを聴く事ができた。この
盤は'03年のリマスター盤発売に際し、ボーナスCDとして復活した。







1997年 - GILLAN
"GILLAN AT THE BBC"

Disc 1
"1979 READING FEASTIVAL"
01. Interview With Ian Gillan
02. Sleeping On The Job
03. Mr. Universe
04. Dead Of Night
05. Roller
06. Vengeance
07. Smoke On The Water

"1979 BBC IN CONCERT"
08. Secret Of The Dance
09. Sleeping On The Job
10. Mr. Universe
11. Dead Of Night
12 .Vengeance

Disc 2
"1980 BBC IN CONCERT"
01. Unchain Your Brain
02. Are You Sure?
03. Mr. Universe
04. No Easy Way
05. Trouble
06. If You Believe Me
07. On The Rocks
08. Nervous
09. Running, White Face, City Boy
10. Vengeance
11. Lucille
12. Interview With Ian Gillan
13 If You Believe Me
国内盤
GILLAN / 「AT THE BBC」
海外盤
「LIVE AT BBC '79-'80」


 GILLANのライヴは「DOUBLE TROUBLE」を筆頭に、オフィシャル
/ハーフオフィシャルを含めてかなりの数が出ている。しかしバ
ンドのピークとも言えるバーニー在籍時のライヴを聴くなら、ま
ずは二枚組のこれから入りたい。

 一枚目は'79年に出演した"READLING FESTIVAL"でのライヴと、
同年のBBC番組"IN CONCERT"の模様を収録している。バーニーを擁
するラインナップが最も充実した時期のライヴは問答無用の迫力
でいっぱい。特に'79年のレディングは凄まじいほどエネルギッシ
ュで、「Roller」のパフォーマンスは圧巻。その他にも初公開時
の「Mr. Universe」のレア度、「Smoke On The Water」のGILLAN
バージョンなど、聴き所は多い。

 二枚目は翌'80年の"IN CONCERT"からのコレクション。フェステ
ィバルのような音の広がりは無いが、音質はかなり良好。こなれ
て一体感の出たバンドの演奏を楽しめる。

 ハードな「Unchain Your Brain」に加えて、「Are You Sure?」
のように公式ライヴではここでしか聴けないようなレアテイクも
あるなど、BBCの奥深さを実感させる内容。

 この他にも「No Easy Way」や「On The Rocks」など、いずれの
テイクも気迫と熱気が渦巻いている。







1981年 - GILLAN
"FUTURE SHOCK"

「FUTURE SHOCK」
01.Future Shock
02.Nightride Out Of Phoenix
03.(The Ballad Of) Lucitania Express
04.No Laughing In Heaven
05.Sacre Bull
06.New Orleans
07.Bite The Bullet
08.If I Sing Softly
09.Don't Want The Truth
10. For Your Dreams
(BONUS TRACKS)
11. Trouble
12. Your Sister's On My List
13. Mutually Assured Destruction
14. The Maelstrom
15. Take A Hold Of Yourself
16. One For The Road
17. Lucille
18. Bad News


 これまでの作品で順調にチャートをステップアップさせたGILLANは、ここで遂に
全英チャート1位を獲得した。楽曲の方向性自体は従来のものを引き継いでおり、
特に目新しい要素は無い。しかしこれまでの過密で入念なツアーの成果が、NWOBHM
の追い風を受けて開花したと言うべきだろう(同年にはMOTORHEADもチャート上位
を賑わしていた。当時のイギリスではこういったハードでストレートなサウンドが
好まれたようだ)。

 この作品を発表した時期はシングルが多く、反戦ソング「M.A.D.」ほか、ハード
ポップ「Nightmare」,さらに「New Orleans」などが、堂々トップ40入りを果たし
ている。しかしこの作品を最後にバーニー・トーメが脱退。バンドの黄金期が終わ
りを告げた。







2002年 - GILLAN
"ON THE ROCKS"

GILLAN / 「ON THE ROCKS」
01. No Laughing In Heaven
02. Bite The Bullet
03. No Easy Way
04. Thunderwood (Drums Solo)
05. Trouble
06. If You Believe Me
07. On The Rocks
08. Vengeance
09. Torme's Last Stand (Guitar Solo)
10. Smoke On The Wate
11. New Orleans
12. Lucille


 「FUTURE SHOCK」リリースに伴うヨーロッパツアーより、'81年6月17日・西ドイ
ツのアーヘンにおけるライヴを収めたハーフオフィシャル。この一週間後にバーニ
ー・トーメが脱退するため、黄金期GILLAN最末期のパフォーマンスという点で資料
的価値が大きい。

 当時のセットリストが判然としないため、これが当日の全曲かは分からない。
「Bite The Bullet」やロックンロールのカバーを除けば、全体的にミッドテンポ
の落ち着いた曲が目立つ。「Secret Of The Dance」や「Roller」などのハイエナ
ジーな曲も聴きたかったが…。なお「On The Rocks」曲中のフルートは、コリン・
タウンズが実際に吹いている。







1981年 - GILLAN
"DOUBLE TROUBLE"

Disc 1
"Studio Album"
01. I'll Rip Your Spine Out
02. Restless
03. Men Of War
04. Sunbeam
05. Nightmare
06. Hadely Bop Bop
07. Life Goes On
08. Born To Kill
09. Spanish Guitar

Disc 2
"Live Tracks"
01. No Laughing In Heaven
02. No Easy Way
03. Trouble
04. Mutually Assured Destruction
05. If You Believe Me
06. New Orleans
07. Bite The Bullet
08. On The Rocks
09. Mr. Universe
10. Vengeance
11. Smoke On The Water
現行盤・2CD
「DOUBLE TROUBLE」
オリジナル盤


 バーニーの後任ギタリストには「GLORY ROAD」ツアーで前座を務めた
WHITE SPIRITのヤニック・ガーズ(現IRON MAIDEN)が加わった。

 ごく僅かなリハーサル・・・・・・というか音あわせのみではあったが、新
生バンドは1981年の"READLING FESTIVAL"に念願のヘッドライナーとし
て出演し、熱気溢れるプレイでファンを圧倒した。

 本作はそのレディングにおける模様を収めたライヴ音源と、新曲を収
めたLP2枚組で発表された。CD化された後はしばらく1枚ものだったが、
2007年のリマスター盤再発の際にボーナストラックを多数加えて現行の
2枚組になった。

 ヤニックはこの当時、リッチー・ブラックモアのスタイルに近いギタ
リストとして知られていた。当時のプレイを現在のIRON MAIDENのもの
と比較して聴くのも一興か。

 本作の発表後、78年以来となる来日公演も行われた。







2009年 - GILLAN
"TRIPLE TROUBLE"

Disc 1
('81年3月5日)

01. Second Sight
02. Unchain Your Brain
03. Are You Sure
04. Bite The Bullet
05. No Easy Way
06. Trouble
07. If You Believe Me
08. M.A.D.
09. On The Rocks
10. Future Shock
11. Vengeance
12. Smoke On The Water
13. Sleeping On The Job
14. Lucille
Disc 2
('81年8月29日)

01. Second Sight
02. Unchain Your Brain
03. Hadely Bop Bop
04. No Laughing In Heaven
05. Bite The Bullet
06. No Easy Way
07. Trouble
08. M.A.D.
09. On The Rocks
10. Vengeance
11. Smoke On The Water
12. New Orleans
13. Lucille
Disc 3
('82年4月23日)
1. No Laughing In Heaven
2. Hadely Bop Bop
3. Vengeance
4. M.A.D.
5. Born To Kill

('81年3月4日)
6. Second Sight
7. Unchain Your Brain
8. Trouble
9. If You Believe Me
10 Lucille


 2009年にリリースされた、3枚組の公式ライヴ・コンピレーション
 本作はタイトルの元ネタ通り、「DOUBLE TROUBLE」リリース前後の音源をまとめたもの。
 バーニー在籍時とヤニック加入後の音源が混在しており、作品としての統一感ではいくらか疑問も感じるが、貴重
なライン音源を公式で聴けるのは意義深い。

 '81年3月4日のロンドン"レインボー・シアター"公演からは、'07年にリリースされたボーナストラック付リマスタ
ー盤「DOUBLE TROUBLE」に「If You Believe Me」が収録されていたが、まとまった形で登場するのは初めて。

 「本編」ともいえる'81年8月29日の"READLING FESTIVAL"も、従来は限られたテイクしか収録されてこなかったの
で、こうして全編が日の目を見たのはファンとして大変喜ばしい。







1982年 - GILLAN
"MAGIC"

「MAGIC」
01. What's The Matter
02. Bluesy Blue Sea
03. Caught In A Trap
04. Long Gone
05. Driving Me Wild
06. Demon Driver
07. Living A Lie
08. You're So Right
09. Living For The City
10. Demon Driver (Reprise)
(BONUS TRACKS)
11. Breaking Chains
12. Purple Sky
13. Fiji
14. Helter Skelter
15. Smokestack Lightning
16. South Africa
17. John
18. South Africa (12" Version)


 '80年代GILLANの最終作。本作は製作中から「第二期DEEP PURPLE再結成」の噂が
流れた事もあり、どこか浮ついた印象の残る作品になってしまった。

 内容は基本的に、ハードなロックンロール+ギラン流ブルース、という感じだ
が、そこにコリン・タウンズ主導と思われるポップ的アレンジや洗練されたメロデ
ィが乗る事で、それまでの作品とは毛色の違いが感じ取れる。

 ツアー中の12月、ギランは「喉のポリープ手術」を理由にバンドを解体。噂どお
りにPURPLE再結成を試みた。しかしこの時は再結成に失敗し、BLACK SABBATH加入
への道を歩む事になった。







1982年 - GILLAN
"LIVE WEMBLEY"
17th DECEMBER 1982

<b>GILLAN / 「LIVE WEMBLEY 17th DECEMBER 1982」</b>
01. Second Sight (Intro.)
02. What's The Matter
03. Bluesy Blue Sea
04. Black Night
05. Trouble
06. Born To Kill
07. M.A.D.
08. Hadely Bop Bop
09. Dead Of Night
10. Thunderwood (Drums Solo)
11. Bite The Bullet
12. Gers Guitars Medley,
  Volume 11 (Guitar Solo)
13. Smoke On The Water
14. New Orleans
15. Towns Toons
16. Helter Skelter


 GILLAN末期・'82年12月17日のロンドン"ウェンブリー・アリーナ"公演を収めた
ハーフオフィシャル盤。音質・バランスともにまずまず良く、安心して聴ける。

 セットリストでの「Black Night」復活は、当時囁かれていたDEEP PURPLE再結成
へのシグナルかと勘繰ってしまう。バックの演奏そのものは堅実で、ギランをきっ
ちりサポートしている。ラストの「Helter Skelter」は、もちろんTHE BEATLSのカ
ヴァー曲。ギランのキャラクターにマッチしたアレンジで、なかなかのハマリ具合
を聴かせてくれる。

 GILLANはこの直後に解体する。







1988年 - GILLAN / GLOVER
"ACCIDENTALLY ON PURPOSE"

「ACCIDENTALLY ON PURPOSE」
01. Clouds And Rain
02. Evil Eye
03. She Took My Breath Away
04. Dislocated
05. Via Miami
06. I Can't Dance To That
07. I Can't Believe You Wanna Leave
08. Lonely Avenue
09. Telephone Box
10. I Thought No
11. Cayman Island
12. Purple People Eater
13. Chet


 再結成DEEP PURPLEは、'88年の「THE HOUSE OF BLUELIGHT」のツアー終了後
にオフへ入る。その間ギランはソロ契約を満たすため、盟友ロジャー・グロー
バーと趣味の単発プロジェクトを行った。

 リラックスした曲調と作風は、DEEP PURPLEとGILLANでのギランを期待して聴
くと肩透かし必至(・・・・・・いわんやBLACK SABBATHファンにおいてをや)。だが
ギランとロジャーが本来基盤としている音がどういうものかを知る上では、興
味深い研究対象に変化する。 特に「Telephone Box」などは面白い。







1990年 - SOLO
"NAKED THUNDER"

01. Gut Reaction
02. No Good Luck
03. Taking To You
04. Nothing But The Best
05. Loving On Borrowed Time
06. Sweet Lolita
07. Nothing To Lose
08. Moonshine
09. Long and Lonely Ride
10. Love Gun
11. No More Cane On The Brazos


"IAN GILLAN LIVE 1990" (VTR)
01. Gut Reaction
02. Demon's Eye
03. Living For The City
04. Puget Sound
05. Sweet Lolita
06. No More Cane On The Brazos
07. I Thought No
08. When A Blind Man Cries
09. No Good Luck
10. Lucille
11. Smoke On The Water
スタジオアルバム
IAN GILLAN / 「NAKED THUNDER」
ライヴ映像

 リッチーと衝突し、オフ中のソロライヴを口実にDEEP PURPLEを解雇
されたギランは、ソロ・プロジェクトを本格起動する。

 ギターにはこの後長くコンビを組むスティーヴ・モーリス。アルバム
「NAKED THUNDER」の内容は彼のソロ作品らしくリラックスしたものだ
が、「Gat Reaction」と「Love Gun」では、ファンの期待を満たすハー
ドな歌唱を聴かせてくれる。


 「IAN GILLAN LIVE 1990」は'90年8月25日,ロンドンにおけるライヴ
を収めた映像。この時のメンバーは、センセーショナル・アレックス・
ハーベイバンド - M.S.G.のクリス・グレン(B),テッド・マッケンナ
(Dr),そして今は亡きトミー・アイアー(Key)。ギターはスティー
ヴ・モーリスのほかに、ミック・オドノヒューがサイドギターを務めて
いる。セットリストは基本的に「NAKED THUNDER」からの新曲だが、か
つてのGILLAN時代からも「Living For The City」や「Puget Sound」,
カバーの「Lucille」を取り上げて、なかなかに興味深い。

 そして何より注目すべきはDEEP PURPLEナンバーの「Demon's Eye」。
ギランの「FIREBALL」への愛着が伺える選曲だ。







1991年 - GILLAN
"TOOLBOX"

GILLAN / 「TOOLBOX」
01. Hang Me Out To Dry
02. Toolbox
03. Dirty Dog
04. Candy Horizon
05. Don't Hold Me Back
06. Pictures Of Hell
07. Dancing Nylon Shirt (Part 1)
08. Bed Of Nails
09. Gassed Up
10. Everything I Need
11. Dancing Nylon Shirt (Part 2)


 GILLAN名義を復活させ、かつてのハード路線への回帰を図った、隠れた名盤。
 バンド編成からキーボード奏者を外し、ギター中心のストレートな音像とした事
で、BLACK SABBATHのファンでも馴染めるヘヴィでタフな楽曲が展開している。

 その典型が「Dirty Dog」や「Don't Hold Me Back」,「Pictures Of Hell」と
いった所か。しかしその中でも「Toolbox」や「Candy Horizon」といったキャッチ
ーかつ疾走感あふれる楽曲がいいアクセントになっている。

 本作に伴うツアーでは、ソロでは'81年以来となる来日公演も行われた。







1997年 - SOLO
"DREAMCATHER"

01. Chandra's Coriander
02. Prima Donna
03. All In My Mind
04. That's Why God Is Singing The Blues
05. Gunga Din
06. Hard On You
07. Sleepy Warm
08.Country Mile
09. You Sold My Love For A Song
10. A Day Late N A Dollar Short
11. Sugar Plum
12. Anyway You Want Me
  (That's How I Will Be)


 '93年に三度目のDEEP PURPLE参加、そしてとうとうリッチーを追い出したギラン
は、ようやくDEEP PURPLEを安住の地とする事が出来た。DEEP PURPLEにおいて彼流
のハードロックを追求するギランだったが、その半面で「GILLAN / GLOVER」的なリ
ラックスした趣味の音楽を演奏したいという欲求が昂じた結果、正真正銘の趣味の
ソロアルバムが誕生した。

 DEEP PURPLE的なハードな音像やメロディは欠片も無く、GILLAN / GLOVER以上に
リラックスした作風が貫かれている。しかし随所で出てくるトライバルなリズムや
メロディ、カントリー風の味わいは、「NAKED THUNDER」でも聴かれたもの。

 本作はDEEP PURPLEでは余り表に出ない、ギランが本来持つソフトでマイルドな側
面を聴けるという点で価値を見出せるだろう。







2006年 - SOLO
"GILLAN'S INN"

(TOUR EDITION)
01. Unchain Your Brain
02. Bluesy Blue Sea
03. Day Late And A Dollar Short
04. Hang Me Out To Dry
05. Men Of War
06. When A Blind Man Cries
07. Sugar Plum
08. Trashed
09. No Worries
10. Demon's Eye
11. Smoke On The Water
12. No Laughing In Heaven
13. Speed King
14. Loving On Borrowed Time
15. I'll Be Your Baby Tonight

(BONUS TRACKS)
16. Have Love Will Travel (Live)
17. Wasted Sunsets (Live)

(日本盤BONUS TRACK)
・. Eternity
海外・2枚組 特別盤
「GILLAN'S INN」
日本盤・1CD
「GILLAN'S INN」


 イアン・ギランの「芸能生活40周年記念アルバム」。
 デビュー以来より発表してきた過去の名曲をセルフ・リメイクした企
画アルバムで、GILLAN時代の「Unchain Your Brain」や「Bluesy Blue
Sea」、BLACK SABBATH時代の「Trashed」などを収録。久しく眠りにつ
いていた名曲が、現代の新たなサウンドで息を吹き返した事は、ファン
としても大変嬉しい出来事だ。

 海外で発表された"TOUR EDITION"には「Demon's Eye」のスタジオテ
イクをはじめ、「Have Love, Will Travel」と「Wasted Sunsets」の
ライヴテイクがボーナス収録されている。また付属のDVDではジョー・
サトリアーニ在籍時におけるDEEP PURPLEのライヴ映像や、アルバムメ
イキングの模様を観られる。

 日本盤ボーナストラックの「Eternity」は、ゲーム用サントラ曲の"
Album Mix"という触れ込み。熱くロックする曲調はGILLAN時代に通じる
ものがある。







2008年 - SOLO
"LIVE AT ANAHEIM"

Disc 1
01. Second Sight (Intro.)
02. No Laughing In Heaven
03. Into The Fire
04. Hang Me Out To Dry
05. Have Love I'll Travel
06. Wasted Sunsets
07. Not Responsible
08. No Worries
09. Rivers Of Chocolate
10. Unchain Your Brain

Disc 2
01. Bluesy Blue Sea
02. Moonshine
03. Texas State Of Mind
04. Sugar Plum
05. When A Blind Man Cries
06. Men Of War
07. Drum Solo
08. Smoke On The Water
09. Trouble
10. Knocking At Your Back Door
CD
IAN GILLAN / 「LIVE AT ANAHEIM 」
DVD
「LIVE IN ANAHEIM」 (DVD)


 「GILLAN'S INN」リリースに伴うソロライヴから、'06年9月14日・カ
リフォルニア州アナハイムの「HOUSE OF BLUES」におけるショウを収録
した2枚組公式ライヴ作品。

 長い間演奏されていなかった楽曲がほとんどを占めるため、過去のラ
イヴテイクと現在のそれらを比較したとき、ややもすれば違和感を覚え
てしまうファンも多いかもしれない。しかし一時は「もう演奏されない
かも?」とさえ思ったGILLAN時代の楽曲や、本家DEEP PURPLEがこれま
でライヴ演奏しなかった「Wasted Sunsets」や「Not Responsible」に
新たな息吹を与えた事は、非常に意義深い。

 2枚組CDのリリース後には映像版としてDVDも発表された。
 こちらも基本的に同音源・同内容だが、映像でこのライヴを観られる
面白さは大きい。 







2009年 - SOLO
"ONE EYE TO MOROCCO"

IAN GILLAN / 「ONE EYE TO MOROCCO」
01. One Eye to Morocco
02. No Lotion for That
03. Don't Stop
04. Change My Ways
05. Girl Goes to Show
06. Better Days
07. Deal with It
08. Ultimate Groove
09. Sky Is Falling Down
10. Texas State of Mind
11. It Would Be Nice
12. Always the Traveller


 前作「GILLAN'S INN」は大勢のゲストを招いたセルフ・リメイク作品だったが、
約10年ぶりの新作フルレンスは、(アクの強いロックでは無いものの)タイトルど
おりアラビア風のテイストが漂う、バラエティに富んだ方向性に仕上がった。

 収録メンバーはサックス奏者やハモンドを含み、従来と顔ぶれを一新している
が、1曲でスティーヴ・モーリスがギターを弾いている。

 なお本作はアナログ盤もリリースされた。そちらは2枚組で、CD盤よりも2曲多い
14曲収録になっている。